
50歳を超えてからでも自分がやりたいことを貫いて転職
今回の転職体験談の主人公Kさんは56歳の男性。銀行マンでしたが、会社との折り合いがつかずに転職を決意。
その転職先は自分の趣味や経験を活かせるような、全く未経験の業界・業種でした。
50代での転職きっかけは銀行員にありがちな左遷
性格は真面目で読書好きの勉強家でした。金融機関で融資関係や支店長代理、融資部調査役役など銀行員としてかなりのキャリアを積んでいました。
50代も中盤に差し掛かる頃に左遷されました。上役とそりが合わずに銀行員としてやっていく気力を失いました。
転職先は勉強や教えることが好きな性格から「講師」を選択
50代になっても、いつか独立をしようと夢見ていたので資格をたくさん取得しており、社会人大学院にて商学修士を習得していました。
大学院の教授の指導もよく、将来の計画と自分のライフプランを計画した結果、講師業が自分に合っていると結論づけました。金融業界の経験も生かせそうだったので転職を決断しました。
転職先の学校を選んだ理由
大学院で修士課程を修了したので、講師募集の学校を探しました。しばらく見つからなかったこともあり、銀行の融資専門会社に3年ほど在籍して金融知識を広げました。
その間、教授の紹介もあり、専門学校と大学の資格セミナーを行い本格的に講師業を始めました。
転職をするときに望んだ3つのこと
講師業を希望していたので、所属する学校に対して望んだものは以下の3つです。
- 学校・教育業界であり相応の待遇であること
- 研究・勉強時間が取れること。週4日ぐらいの勤務であること
- 自分が持っている資格・行政書士・宅建士・商学修士の知識資格が活かせること、同時に本が出せるような環境であること
賃金・給与面は適時相談しましたが、ほぼ妥協していきました。
求人を適宜インターネットで探しながら3ヶ月で転職
転職活動の際には、とくに転職系のサービスは利用しませんでした。50代を超えているということもあり、そのようなサービスにはあまり期待していませんでした。
今回の転職は自分がやりたいことを探す冒険と位置付けて、自らの力で講師募集を探し出して直接応募を実施していきました。
【書類通過数】5社
【一次面接通過数】5社
【内定社数】3社
面接ではなぜ今さら異業種に転職するかを聞かれた
面接では相手が初対面なので、とくに前職の職務内容の説明に苦労しました。年収が大幅に下がるのになぜ講師に転職したいのかと聞かれることが多かったです。
転職活動の最初の方は自分のやりたいことをうまく説明できずに苦戦しました。講師業については、金融機関で研修担当で7年くらい経験があり自信もあったのに、なかなか認めてもらえなかったことはストレスでした。
その他の質問は一般的な質問がほとんど
50代を過ぎてはいましたが、とくにそのことに関しての質問はなく定番の質問がほとんどでした。
A1.子供は独立しており、同居は妻のみです。
Q2.前職の年収はいくらですか?
A2.1000万円前後です。
Q3.住まいの場所
A3.在住場所を伝えました。
Q4.現在の住まいは持ち家か?
A4.持ち家です。
Q5.専門としていることは何ですか?
A5.法律・経済・金融。とくに金融系は銀行に勤めていたので詳しいです。
転職してから「やりたいこと」に時間を費やせて楽しい
採用された専門学校の講師は、自由時間が多くて仕事が勉強事なので楽しみが増えました。とくに、本を書く時間ができたことは嬉しいものです。
講師としてさらに知識を深めるために、好きな本を好きなだけ読めることも読書家には楽しいひと時です。
給与水準は下がったが満足いくレベル
給料については出勤日や残業時間は減りましたので、時間給は増えたと思います。年収は半分以下です。
読書する時間が増えて、交際費が大幅に減ったので、お小遣いは大幅に増えました。
自分が好きなことを突き詰めるために時間を使ったのが良かった
転職が成功した理由としては、前職での経験や活かせることを業務で培った説得力を持って説明できたこと、また、模擬講義の出来の良さだと思います。
とくに銀行での経験は興味深く聞かれていました。勤務時間の過酷さ、業務知識の広さと深さ、銀行への知識がひどく受けたようです。それと、大学院での講座内容と修士論文の内容が評価されていました。
転職後はどのような仕事をしているのか?
専門学校の講師になったのですが、生徒のやる気のなさと勉学のレベルがあまりにも低いので、どの程度の教材を作ればよいか試行錯誤しながら作成しています。
現代の生徒の考え方、生活習慣の違いを理解するのはやはり大変です。社会人のセミナー講師などもやっていますが、年老いたひとが多く教え方には苦労しています。ただ、50歳も後半にはなりましたが、自分がやりたいことに到達できて毎日打ち込めることは生きがいにもなっています。