エニアグラムタイプ5

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エニアグラムタイプ5は、探求者分析家と表現されることが多くあります。

知識の獲得や理論の探究といったことに注力し、自らの知識を元に思考を深めることで問題解決を目指します。反面、人とのコミュニケーションが苦手という一面もあります。

ここでは、エニアグラムタイプ5の特徴や仕事上の課題、上司との関わり方などを紹介していきます。




エニアグラムタイプ5「調べる人」の特徴

タイプ5は、「調べる人(Investigator)」と呼ばれ、知識を得て観察することを好む人とされています。

思考優先のエニアグラムタイプなので、理性的で滅多なことでは興奮せず、思慮が深く知識が豊かなので論理的な話しを好むといった特徴があります。

他人に対して気配りをすることが苦手であり、自分自身も感情を表現することが苦手なため「何を考えているかわからない」と周りに思われることもあります。そのため、エニアグラムタイプ5を苦手とする同僚もいるでしょう。

しかし、その探求力や知識の豊富さは会社においても頼りにされる存在であり、物事を決めつけずに多角的に捉えようとする姿勢で、問題を解決していくでしょう。

タイプ5の見た目の印象

外見的な特徴は痩せ型の人が多く、典型的な学者や研究者といった雰囲気を持っています。表情に喜怒哀楽が出にくく、目つきが鋭い印象を与え、メガネをかけた人も多いといった特徴があります。

タイプ5の有名人の一例としては、以下のような方々が挙げられます。

  • 江戸川コナンさん(探偵)
  • 福田康夫さん(政治家)
  • 菊川怜さん(タレント)
  • 池上彰さん(ジャーナリスト)
  • 野村克也さん(元監督)
  • タモリさん(タレント)
  • 江川紹子さん(ジャーナリスト)

注意『自分の「性格説明書」9つのタイプ』より引用。外観や言動の特徴からの見立てによります。

タイプ5の特徴を表すキーワード

エニアグラムタイプ5の特徴は、「探求」「知識欲」に関わるものが多くあります。

  • 客観的に
  • 筋道が通っている
  • 分析力に富む
  • 論理的
  • 視野が広い
  • 知的
  • 洞察力
  • 冷静
  • 傍観者
  • 学問好き
  • ドライ
  • 理屈っぽい




自分をエニアグラムタイプ5と感じる人の思考や行動の傾向

エニアグラムタイプ5は、「知識の獲得と理論の探求」を重視する傾向にあり、以下のような行動や考え方をする人が比較的多いでしょう。

  • 物事を客観的に見ていることに気づくことが多い
  • 人と話すとき、相手の話の筋が通っていないと聞くのが億劫になる
  • 「理屈っぽい」と言われたことがあり、理屈面で人と衝突したことがある
  • 泣き真似をするなど、演技をすることは無理だと感じる
  • 冷静で冷めている自分がいて、我を忘れるほどの熱中はあまりしない

エニアグラムタイプ5はヘッド(頭脳)センター

エニアグラムセンター
タイプ5はヘッド(頭脳)センターであり、思考から行動が始まります。思考の部屋にこもってしまうこともあり、内向性が強く外向性は乏しいという特徴があります。

真理や真実といったものは普遍的ではなく、絶対的でないという疑いを持ちながら、複数の違った面から物事を探求することができます。

感情を相手からぶつけられる事が苦手であり、自ら感情を出すことも抑制しがちです。

ヘッドセンター特有の「不安」については、自分の能力が認められないことに対して不安を感じる傾向にあります。

タイプ5の成長(統合)と恐れ(ストレス)

タイプ5の成長方向はタイプ8【挑戦する人(challenger)】、ストレス方向はタイプ7【熱中する人(enthusiast)】です。それぞれの詳細について紹介します。

エニアグラムタイプ5成長方向

タイプ5の成長(統合)の方向は「タイプ8」

成長方向を向いているタイプ5は、自らに自信を持って大胆に行動するようになるでしょう。普段は考え込むことが多いタイプ5が行動的になり、例えば観察対象であった人と積極的に話をして、相手のことを知ろうとします。

ヘッドセンターのタイプ5が本能的なタイプ8の意識を持つとき、大きな挑戦に立ち向かって、自らの知識や技能を存分に発揮するようになるのです。

タイプ5の恐れ(ストレス)の方向は「タイプ7」

ストレス下のタイプ5は、思慮深さが薄れ、タイプ7のように刹那的な喜びを求めた衝動的な行動をすることがあります。

一つのことに集中するのではなく、さまざまな物事に手を出すようになりますが、必ずしも満足感は得られないでしょう。

不健全なタイプ7のように、不安から身を守るために無責任で一貫性のない行動をする可能性もあります。




エニアグラムタイプ5のウイング

エニアグラムには特定のタイプの両側に「ウイング」があります。タイプ5のウイングは「タイプ4:個性的な人」と「タイプ6:忠実な人」であり、どちらかの特性を持っています。

ここでは、タイプ6のそれぞれのウイングの特徴について紹介します。
注意タイプ分類の名称に関しては、「THE ENNEAGRAM INSTITUTE」の表現を使用させていただいております。

ウイング4は【因習を打破する人(Iconoclast)】

ウイング4を持つタイプ5は、因習(古くからのしきたり)に縛られることを嫌い、タイプ4の独創性と想像力、好奇心を持ちながら鋭い洞察力を有するという特徴があります。

タイプ5特有の研究・調査力を向ける対象がよりニッチになる傾向にあり、科学的な思考よりも創造性を重視することが多いでしょう。タイプ4のハートセンターの特徴があるため、感動的であり、芸術などにも興味を持ちます。

健全度が下がると、一人の思考に閉じこもりがちになるため、人との交流を避ける傾向があります。また、型に嵌め込まれるようなことを拒絶したくなる気持ちも強くなるでしょう。

ウイング6は【問題を解決する人(Problem Solver)】

タイプ6のウイングを持つタイプ5は、「問題を解決する人」と呼ばれる通り、組織に適合しながら問題点に対する解決を積極的に行う傾向にあります。

ウイング4よりも現実的な対応をすることが多く、専門的な知識と探究力を発揮することになるでしょう。

健全度が下がると、組織に向いていた思考が自己に向きがちとなり、人ではなく調査対象に対しての関心が強くなります。

また、タイプ6の恐れである「不安」が強く、議論の際にも防衛的な発言が多くなる傾向があります。




エニアグラムタイプ5が陥りやすい仕事上の課題と対策

タイプ5は自分の分析力などに頼る傾向が強く、他者と積極的に関わるタイプではないので、仕事上では以下のような課題を持つ事があります。

【課題1】コミュニケーション不足になる

タイプ5は、物事を自分の頭で理解することを重要視することで、自分の世界をコントロールできているという満足感を得ます。

会社においても、自分の思考だけで処理しようとするため、言葉で相手にうまく伝えることが苦手であり、結果的にコミュニケーションが苦手になってしまうことがあります。

また、他者の感情についても無頓着になりがちであり、部下とのコミュニケーションを疎かにして、距離を置かれてしまうということもあるのです。

タイプ5がコミュニケーション力を向上させるためには、対人支援や感情の扱い方などを理論的に学べる場に参加することが一つの解決策となります。

まずは、理屈を理解することから始めることがエニアグラムタイプ5にとっては重要なのです。

【課題2】他者への視野が狭くなりがち

職場におけるタイプ5は、部下や上司などの能力に対して不満を感じて、狭い視野で評価してしまうことがあります。職場では成果を求められることもあり、そうなるとタイプ5は自己の知識や理論、能力といったものに依存しがちで、他者の能力に不足感を持ってしまうのです。

タイプ5に対しては、その仕事振りをしっかりと評価していることを伝えて、承認されていると感じてもらうことが重要です。そうすることで、タイプ5は仕事に安心感を覚えて、視野も広がっていくでしょう。




エニアグラムタイプ5の上司と関わる際のポイント

タイプ5の上司は、部下に対して積極的にコミュニケーションを取ることはほとんどないでしょう。部下からは、あまりに距離が縮まらないために「冷たい人」に見えているかもしれません。

コミュニケーションは苦手でも情報収集力は高いので、さまざまな問題について把握をしており、その解決策に対して思考を深めていることもあります。

そのため、タイプ5の上司に対しては受け身になるのではなく、自ら積極的に質問や相談を行うようにしましょう。その際にも、できれば論理だった質問と説明をすることで、アドバイスを得やすくなります。

タイプ5の思考タイプの上司は、同じようなタイプの上司やプロフェッショナルとの親交が深いという特徴もあるため、論理的な人たちとの人脈を広げるチャンスでもあります。

ただ、上司も思考する時間を大事にするため、何度も頻繁に質問に行くのではなく、ポイントを絞ることも意識しましょう。

エニアグラムタイプ5の適職事例

タイプ5は、職場においても冷静で客観的に分析することが得意です。人とあまり関わらずに、自分の頭の中で処理することを好みますが、新しい知識を得るための勉強は欠かしません。

コミュニケーションが得意とは言えず、時に傍観者目線で意見することもあり、チームワークを重視するよりも個人の裁量でコントロールできるような仕事が向いています。

タイプ5の特徴を活かすためには、数字やデータに関わる以下のような仕事が適職として考えられます。

  • シンクタンク
  • メーカーなどの開発・研究部門
  • 企業のマーケティング
  • システム開発
  • 研究者
  • アナリスト
  • コンサルタント




エニアグラムタイプ5の健全さのレベル

エニアグラムタイプ5の「健全さ」のレベルによる違いは、「思考の部屋への没入度」と「他者への関わり」に大きな違いがあります。

健全レベルのタイプ5

健全なエニアグラムタイプ5は、他者との交流にも積極的に参加し、ボランティアや国際活動にも参加する人もいます。主体性を持って行動し、自己信頼があって他者を見下げず、人間的な温かさを持って人と接するでしょう。

元来、自分が無能だと思われたくない気持ちがあるため、認めてくれない相手に攻撃性を示すことがありますが、健全なタイプ5はそういったこともありません。

他者へのコミュニケーションについても、一緒に運動や旅行をするなどの活動的な関わり方もするでしょう。

通常レベルのタイプ5

常に頭で情報処理を行いつつも、感情や突発的な衝動による言動や行動は制御できます。これは、頭を整理する時間を設けて、考えを深める行動ができるからです。

健全度が下がっていくと、相手に憤慨し、意見や信念といったものを論破しようとする攻撃性が現れます。自分の話しを理解しない人に対して、「知性がない」などと軽蔑するような態度を取ることもあります。

他者の感情を排除し、自分の知的な部屋にこもって、人との接触を拒むようになってしまうのです。

不健全レベルのタイプ5

タイプ5が不健全に陥ると、世間との繋がりを断って、知識と情報の中に全てを見出そうとします。結果的に、人との関わりを避けて、本を読んだり情報収集に没頭してしまいます。

「自分が無能である」というコンプレックスを抱えて、自己に対する無力感を持つようにもなり、孤立感を感じて精神的な病に陥ることもあるでしょう。




【おまけ】タイプ5の人との恋愛は?付き合うためのポイント

タイプ5はあまり活動的ではありませんが、サブカル好きな人もいるように、活動的な人が嫌いという訳ではありません。ただ、調査分析が好きなタイプ5は、相手に対しても知性を求めるという特徴があり、話が論理立っておらず辻褄が合わないような人を苦手とします。

一人で知的探究を過ごす時間を大事にするため、ズカズカとテリトリーに入ってくる人も苦手とするでしょう。

タイプ4のような個性的な振る舞いをする人に対して、知りたい欲求があって興味を持ち、個人主義的なところにも共鳴するかもしれません。ただ、振り回し続けて時間を削られるとタイプ5は疲弊します。

タイプ5の人と付き合うには、相手の論理的思考や時間に対する考え方を尊重し、知的好奇心を揺さぶるようなデートを計画するといいでしょう。じっくりゆっくりが求められます。




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まとめ:エニアグラムタイプ5とは?

エニアグラムタイプ5の特徴や、働く上でのポイントなどを説明してきましたが、いかがだったでしょうか?

タイプ5の特徴は以下の通りです。

  • 知識の獲得と理論の探究などを重要視する根っからの理論家
  • 自分が無能と思われることに不安を感じる傾向がある
  • ウイング4はより個性的であり、ウイング6は組織での問題解決力を発揮する
  • エニアグラムタイプ5の上司には、自分から積極的に関わる(理論的説明が重要)
  • 健全なレベルでは思考の部屋から出て、他者と関わる
  • 健全度が下がると他者との関係を断ってしまう
  • エニアグラムタイプ5には、相手を認めながらじっくりゆっくりと接する

エニアグラムタイプ5は、理論的で知識も豊富な人が多く、その力は組織においても非常に重要です。

タイプ5は人と関わることが苦手ですが、人と関わることが嫌いな訳ではありません。質問や相談に来た人は、あなたに助けを求めています。自分の知識や経験を伝えて、相手の要望に応えることはタイプ5にとっても充足感を得られる瞬間です。

思考の部屋に篭り過ぎることなく、外の世界への関わりも意識するようにしましょう。そこには新しい「知識」を得るチャンスがあるかもしれません。

本記事の参考書籍

・自分の「性格説明書」9つのタイプ:安村明史 著
・9タイプ・コーチング:安村明史 著
・エニアグラムーあなたを知る9つのタイプ 基礎編:ドン・リチャード・リン、ラス・ハドソン 著
・THE ENNEAGRAM INSTITUTE:海外サイト