「YG性格検査」とは?120問の回答結果で決まる12の性格特性

※このページにはPR広告を含みます

性格診断検査として有名な「YG性格検査」。学校で実際に受けたことがある人もいるでしょうし、就職や転職の筆記試験で受験したことがある人もいるでしょう。

「YG性格検査」をテストと認識して対策を考える人も多いですが、あくまでフォーマル・アセスメント(標準化された検査)の「質問紙法」の一つでしかありません。YG性格検査だけで、あなたの性格が全て把握できるわけではないことをまずは覚えておきましょう。

ここでは「YG性格検査」についての説明と、活用法について紹介します。




YG性格検査とは?

YG性格検査は「谷田部ギルフォード性格検査」の略称です。もともとは心理学者ギルフォード博士の調査目録から始まっており、谷田部教授が日本版にアレンジした性格検査テストです。

YG性格検査は3択の120の質問から構成されており、選択結果から「12の性格特性」に分類されます。自分がこうありたいという性格や、採用側が求めるであろう性格に合わせようとしても、その分岐を把握することは困難です。

また、YG性格検査で強引に性格を望むものに寄せようと回答しても、本質的な性格は変わりません。テスト時間は約25分と、あまり時間も掛けられないテストですので、あるがままに受験しましょう。

YG性格検査の12の性格特性

YG性格検査で分類される12の性格は以下のようになります。基本的には12の性格特性を独立的に考えるのではなく、他の特性との組み合わせで判断されます。

D:抑うつ傾向

悲観的な気持ちが表に出やすく、憂鬱な感情になることが多いと判定されます。

C:回帰性傾向

情緒が不安定なタイプと診断されます。気が変わりやすく、感情的な判断が多い人といったイメージです。

I:劣等感

自分に自信が持てず、他者と比較して自分が劣っているという考えを持つタイプとされています。

N:神経質

物事に細かい性格で、心配性であったり些細なことでイライラしやすい性格と判断されます。

O:客観性

点数が低い場合、「空想家タイプ」と診断され、主観的な強い意見を持つわけではなく普遍的な客観性を持つ性格とされます。

Co:協調性

集団での生活での協調性を表します。点数が低いと人への不満が多かったり、協力して仕事をしたがらないと判断されます。

Ag:攻撃性

点数が高いと人の意見に反発するタイプと考えられます。自分の信念を強く持って、自分の判断が正しいと思えばそのまま突き進むというようにも捉えられます。

G:一般的活動性

仕事が早いとか動作が早いとか、業務をこなす行動力に優れる人と判断されます。

R:のんきさ

何とかなるさ精神を持って気軽に物事を捉えるタイプ。変化や刺激を求める衝動的な性格でもあると考えられます。

T:思考的外向

この点数が高いと「外向的に考える人」と判断されます。つまり、あまり物事を深く考え過ぎずに、まずやってみようという思考を持つとされます。また、チャレンジ精神が強いなどとも言われます。

A:支配性

リーダー気質がこれに当たります。仲間を引っ張ってリーダーシップを発揮するタイプであるとされます。

S:社会的外向

この数値が高いと「社交的」と判断され、人と話をしたり人と何かをすることを好むとされます。数値が低いと、内向的で人と接するのを拒む傾向があるとされます。




YG性格検査はあくまで性格判断の補助

12の性格の事例を見ると、数値が低いと印象が悪いと考えてしまう項目もあります。ただ、YG性格検査はあくまで性格診断の補助です。

採用面接などでは、初対面の応募者の性格が面接官の主観で決められることもあります。例えば、面接で入室してくる時に、伏し目がちで挨拶の声も小さかったら「この人は内向的で、人と接するのが嫌なのかな?」と判断してしまう面接官もいるでしょう。

ただ、YG性格検査の結果では、内向的な傾向は出ていないかもしれません。このように、YG性格検査は、採用試験などで主観のみの判断を防ぐ意味でも活用されているのです。

職務適性として使われることもある

YG性格検査は、採用面接以外にも職場で利用されることがあります。配属先として「事務職」「販売接客」「ルート営業」などさまざまな職種がある場合、その人の性格が業務に適しているかの判断に利用されます。

YG性格検査の結果をもとに配属面接を行なって、職務適性を確認するという方法が一般的な活用法です。




仕事によって「性格モデル」があるがそれは一端に過ぎない

YG性格検査を行う場合には、多くの人は採用試験での捉えられ方を懸念します。確かに仕事には求められる性格モデルが存在します。例えば「販売職」ならば一般的には以下のような性格が望まれるでしょう。

  • 社交的で話が好き
  • 思考的外交が高く失敗を恐れない
  • 抑うつ傾向が低くポジティブ

ただ、販売の仕方は何も「笑顔で声をかけて売り込む」ばかりではありません。お客様と一定の距離を置いてじっくり観察し、悩んでいる素ぶりがあればゆっくり声を掛けるなど、様々な仕事の進め方があるのです。

YG性格検査の特定の項目の数値が極端に低いからといって、業務適正がないわけではありません。性格の活かし方には、人それぞれの可能性があることを忘れないでください。




YG性格検査で性格を歪曲しにくい項目

YG性格検査は、25分という短時間で検査を行うことで、極力テストを受ける人が性格を望む方向に歪曲できないような配慮がされています。

しかし、回答によって性格の方向を変化させることは残念ながら可能です。ただし、以下の3項目については、「財団法人 鉄道総合技術研究所」の論文『YG性格検査における反応歪曲の尺度得点への影響』において、実験環境において歪曲が困難であるという結果が得られています。

  • T:思考的外向
  • R:のんきさ
  • Ag:攻撃性

採用を行う企業であれば、こういったポイントを確認できる質問を面接で行うことも大事ですし、会社で定期的に検査を行う場合は数値の変化に着目することが重要です。

いずれにせよ、テスト結果のみでは性格の把握は困難です。受験者に確認するためのポイントを抽出するという意識を持ちましょう。

まとめ:YG性格検査とは

YG性格検査など、採用試験などで性格診断に利用されるツールはさまざまであり、企業によって利用するテストも違います。ただ、YG性格検査などのテストはあくまで判断材料の一部です。

採用試験ならば、YG性格検査の結果は気にせずに、ナチュラルな自分で採用試験に臨みましょう。また、企業での人事判断などで利用する場合でも、あくまで主観的な判断に偏りすぎないための試験であると考えましょう。

YG性格検査でどんなに「望む自分」を作ろうとしても、必ず本来に自分とのズレが生まれます。あまり考え過ぎずに参考として捉えてください。