エニアグラムタイプ1

エニアグラムタイプ1は、多くの書籍で改革する人完全を求める人と表現されています。

自らはもちろん、組織としての完璧さを求めるために、現状のルールに束縛されずに改革を推し進めるという特徴から、こう名付けられています。ただ、完璧さを求めるあまりに対人関係のトラブルが起こすという一面もあります。

ここでは、エニアグラムタイプ1の特徴や仕事上の課題、上司との関わり方などを紹介していきます。




エニアグラムタイプ1「改革する人」の特徴

エニアグラムタイプ1は、「改革する人(Reformer)」と呼ばれ、既存のルールに縛られずに改革を進めるという特徴があります。

ただ、エニアグラムタイプ1は、「完璧主義者(Perfectionist)」と呼ばれることもあり、何事にもしっかりとした目標を設定した上で、一生懸命に行動して「手抜きは許されない!」と頑張り続けます。

社内で不正なことが見つければ、例え上司であっても進言するほどの正義感の強さを持ち合わせています。エニアグラムタイプ1は完璧主義者であるため、文章の誤字脱字や数字の間違いを見つけだすのが得意です。自制心が強く、公平・公正さを重視する傾向があるため、必要以上に頑張りすぎる傾向にあります。

また、エニアグラムタイプ1には、自分に厳しいだけでなく、他人にも同じような厳しさで接するという欠点もあります。そのため、いつも怒っているような印象を与えて良好な関係を崩してしまうこともありますが、そのことをエニアグラムタイプ1は気づいていないことも多いのです。

エニアグラムタイプ1の見た目の印象

外見的な特徴は、目が細めで笑っていない印象を与え、あまり太っている人はいません。歯を食いしばる事があるため、エラが張っている人が比較的多いという特徴もあります。

タイプ1の有名人の一例としては、以下のような方々が挙げられます。

  • イチロー選手
  • ガンジー
  • 高倉健さん
  • 王貞治元監督
  • 麻生太郎議員
  • 土井たか子元議員

注意『自分の「性格説明書」9つのタイプ』より引用。外観や言動の特徴からの見立てによります。

タイプ1の特徴を表すキーワード

エニアグラムタイプ1の特徴を表すキーワードは、以下のようなものがあります。

  • であるべき
  • でなければならない
  • 絶対に
  • 誠実
  • 完全(完璧)に
  • 公平・公正
  • 細部にこだわる
  • 強い責任感
  • 自己抑制的
  • 努力家
  • 融通が利かない




エニアグラムタイプ1はガッツ(本能)センター

エニアグラムセンター
タイプ1は、自分の中の確固たる目標やルールにしたがって思考することから「ヘッド(頭脳)センター」と考える人が多いですが、実は「ガッツ(本能)センター」ですので、思考に偏らずに使命を果たすために現実的に行動します。

つまり、行動の前には「自分が果たすべきこと」を本能的に感じ取っており、その後に理論的に考え始め、自らの行動の正当性に自信を持つことになるのです。

エニアグラムタイプ1の成長(統合)と恐れ(ストレス)

タイプ1の成長方向はタイプ7【熱中する人】、ストレス方向はタイプ4【個性的な人】になります。それぞれの詳細について紹介します。
エニアグラムタイプ1成長方向

タイプ1の成長方向は「タイプ7」

成長方向のタイプ7に統合を進めると、タイプ1は楽観的でリラックスしたポジティブな一面を持つようになります。他者への攻撃性が減り、自分の考えや意見に過度に固執せず、他者の意見に耳を傾けるようになるのです。

ただ、タイプ7のような楽観的な行動を単純に取り続ければいいわけではありません。自分の中の審判者の声と向き合いながら、適当さの加減などを見極めた上で決断と行動する事が重要です。

タイプ1の恐れ(ストレス)の方向は「タイプ4」

タイプ1のストレスが高まると、自身の自己抑制的な行動とタイプ4の内向的な落ち込みが相まってしまうため、安定感を失います。自らを律し続ける事が困難になるため、他者への攻撃性を強めたり、逆に引きこもりのような状態になることもあります。

タイプ1には「超自我」という監視者がいます。自分のことを厳しく監視する審判者のような存在です。その審判者の内なる声と自分の行動との違いといった葛藤に苦しみ、さらにストレスが溜まっていってしまうのです。




エニアグラムタイプ1のウイング

エニアグラムには両翼「ウイング」があります。タイプ1のウイングは「タイプ9:調和と平和をもたらす人」と「タイプ2:助ける人」であり、どちらかの1方の特性を持っています。ここでは、タイプ1のウイングの特徴について紹介します。
注意タイプ分類の名称に関しては、「THE ENNEAGRAM INSTITUTE」の表現を使用させていただいております。

ウイング9は【理想主義者(Idealist)】

ウイング9を持つタイプ1は、タイプ9の穏やかで自然を好む部分を併せ持つようになります。自分の主張に固執しがちなタイプ1ですが、タイプ9の広く人の話を聞くという特徴を発揮して、局所的でなく大局的な目線で物事を捉えます。感情的な行動も少なくなるため、寛容さを持って人と接します。

ただ、ウイニング2に比べると人と積極的に関わろうとする行動はせず、自分の平和を守ろうというタイプ9の囚われも持つことになります。そのため、他人に対して内心で軽蔑的な気持ちを持つこともあります。

ウイング2は【擁護者(Advocate)】

エニアグラムタイプ2のウイングを持つタイプ1は、他者に対して積極的な関わりも行うようになります。関わり方も、タイプ1特有の怒りに近い攻撃性ではなく慈愛性を持っています。

ただ、タイプ2特有の相手をコントロールしようとする気持ちが加わるため、自分の目標や理想を相手にも共感してもらおうと説得しがちです。そのため、ウイング2のタイプ1は政治に長けているとされ、議員や組織のトップの人に見られます。

健全度が下がることで攻撃性が表に出てくるため、かなり強い口調で相手を批判するという、気性の激しさも持ち合わせています。




エニアグラムタイプ1が陥りやすい仕事上の課題と対策

タイプ1は完璧さを求める気質ゆえに、仕事上では以下のような課題を持つ事があります。

【課題1】他者に対して怒りをぶつける

タイプ1は共感的な接する事が苦手で、相手に対して否定的な態度で接することが多くなりがちです。また、自分自身が他者から否定されたり非難を受ける事は好まないため、他者とあまり関わりを持とうとしない場合もあります。

そんなタイプ1が相手に対して批判的な行動を取る場合は、タイプ1の特徴である「誠実さ」「勤勉さ」などに理解を示しつつ、タイプ1の信頼を確保する必要があります。タイプ1は、自分が信頼する人からの言葉は受け止めるという特徴があるからです。

あとは、毅然とした態度で接し、完璧主義的な理想から離れて現実的な対応を受け入れさせる必要があります。

【課題2】完璧主義で仕事が終わらない

タイプ1は完璧主義者でもあるため、ミスを許さず目標を高く設定しがちです。そのため、高い精度や品質を求められるような仕事では重要な存在となります。

しかし、仕事を完璧にこなそうとするあまり、たとえ他の業務で忙しくても完璧に仕上げるために過度な労働を重ねてしまいます。いつも遅くまで黙々と頑張っている社員は、タイプ1の可能性もあります。

ただ、その完璧さは会社にとって重要とは限りません。仕事に関しては本人の理想だけを追わせるのではなく、適正なレベルのゴールを理解させる必要があります。依頼する段階から、ゴールや仕事の内容についてすり合わせるようにしましょう。




エニアグラムタイプ1の上司と関わる際のポイント

エニアグラムタイプ1の上司には、とにかく「まめな報告」を意識するようにしましょう。タイプ1は細かく口うるさい人が多いので、仕事の目指す方向性や内容はもちろん、日々の進捗も完璧に把握したいと考えます。

報告されることで安心するため、あなたへの細かいチェックの頻度も減るでしょう。言われる前に報告する事が重要です。

目的を持って一生懸命働く自分と同じような部下を好みますので、自分の努力の姿勢を見せながらアドバイスを求めるのもいいでしょう。ただ、あまりアピールしすぎない事が重要です。

また、自分の中の明確な価値観のもと他者へ攻撃を行うため、怒っている時には何を言っても響きにくいという特徴があります。少し落ち着いてから話をするなど、一旦距離をおくことを心がけましょう。

エニアグラムタイプ1の適職事例

タイプ1は時間や規則に厳しく、自らの意見を曲げないという特徴があり、仕事においては公平・公正さを重要視した態度を取ります。また、業務に関しても完璧さを求める傾向にあるだけでなく、自分にも他者にも厳しく接します。

こういった、手抜きをしない自我・気質なので、規律性を重視する以下のような仕事が適職とされています。

  • 企業の経理、監査、品質管理
  • 金融機関
  • マスコミ・報道関係
  • 税理士
  • 法曹職
  • プロスポーツ選手




エニアグラムタイプ1の健全さのレベル

エニアグラムタイプ1は、健全さのレベルによって他者への関わり方が大きく変わってきます。

健全レベル

タイプ1は基本的に自己を重要視するため、自分の欲求から目標を設定しがちです。ただ、健全度が高いと、大義のために自分の欲求は脇に置きます。そのため、普段は木を見て森を見ずというタイプですが、視野が広がって全容を俯瞰して可能性を模索します。

普段は好き嫌いが激しいタイプですが、健全レベルでは、リラックスしていて気さくにフラットな人間関係を持つようになります。自分と他者に対して厳しく接するという態度を抑え、寛容接するようになります。

通常レベル

通常レベルでは、独自の「完璧さ」にこだわってしまう傾向があります。他者と接する場合にも、否定的に接してしまう事があり、頑張って80点の結果を出しても残りの20点を否定してしまう傾向にあります。これは自分に対しても同じで、自分のミスに対しても早く気づき、その失敗を許せないと感じます。

社会性が乏しく、社内などにある「暗黙のルール」を認める事ができないため、協調性がないと思われることもあります。自らの独善的なマイルールを持っているため、他者に何と言われてもそのルールを突き通し、そのマイルールを他者にも当てはめようとする事があります。

不健全レベル

タイプ1は、不健全なレベルになると自分と他者への攻撃性がさらに高まります。排他的になってしまうため、強く相手を責め続けてしまうこともあります。対人トラブルが絶えなくなり、「この人にはついていけない」と思われて、他者が去っていってしまうことになります。

自らの正当性を強く主張するようになるため、その行動と言論に自らが葛藤に苦しむことになります。不健全なレベルにならないためにも、自分はリラックスしてもっと楽しんでもいいと許す気持ちが重要です。




【おまけ】エニアグラムタイプ1の人と付き合うには

エニアグラムタイプ1の誠実さや真面目さは、恋愛によっても存分に発揮されます。相手に対しても、信頼ができて真面目であることを求めます。自分なりの「恋愛ルール(ちょっと高め)」を持っており、その基準に忠実に従いながら相手を選ぶため、少しでも満たさない部分があると恋愛感情を抱きにくいという欠点があります。

相手に興味を持った段階から、服装や言葉使い、時間のルーズさなどのチェックが始まるため、どんどんとストライクゾーンが狭くなっていきます。あなたがタイプ1の場合は、相手に対して柔軟性を持って接する事が求められます。

タイプ1の人と付き合うためには、やはり「相手の恋愛ルール」を満たす事が重要となります。ただ、タイプ1は自分の完璧さが揃うまではなかなか動かないという特徴があるので、アプローチはこちらから行うことも大事です。

恋愛においてもタイプ1の成長を促す関わり方が大事で、「完璧にこだわりすぎずに、弱くてもいい」ということをわかってもらう事が重要です。




まとめ:エニアグラムタイプ1とは?

エニアグラムタイプ1の特徴や働く上でのポイントなどを説明してきましたが、いかがだったでしょうか?

タイプ1の特徴は以下の通りです。

  • 確固たる目標を設定し、目標達成のために行動し続ける
  • 完璧さを自らはもちろん他者にも求める傾向があり対人トラブルが発生することもある
  • ウイング9は大局的な目線で行動し、ウイング2は政治的な素養がある
  • エニアグラムタイプ1の上司には「まめな報告」を心がける
  • 健全なレベルでは大儀のために自分を脇に置く
  • 健全度が下がると怒りによる自分と他者への攻撃が強まる
  • エニアグラムタイプ1の「恋愛ルール」を把握することが重要

エニアグラムタイプ1は「完璧主義」という言葉をマイナスな意味で受け止める人も多いかもしれませんが、組織においては重要な考え方でもあります。

個人と組織の間の完璧さのバランスをうまく取りながら、その特徴を活かして改革を進められるような関わり方が必要です。

本記事の参考書籍

・自分の「性格説明書」9つのタイプ:安村明史 著
・9タイプ・コーチング:安村明史 著
・エニアグラムーあなたを知る9つのタイプ 基礎編:ドン・リチャード・リン、ラス・ハドソン 著
・THE ENNEAGRAM INSTITUTE:海外サイト