エニアグラムタイプ4個性的な人

※このページにはPR広告を含みます

エニアグラムタイプ4は、個性的な人芸術家と表現されることが多くあります。

独自の世界観でモノ事を考え、それを自らの独特の言葉や創作物で表現することが多いため、こう名付けられています。ただ、自分の個性を認めてくれない人とは距離を置くという面もあります。

ここでは、エニアグラムタイプ4の特徴や仕事上の課題、上司との関わり方などを紹介していきます。




エニアグラムタイプ4「個性的な人」の特徴

エニアグラムタイプ4は、「個性的な人(individualist)」と呼ばれ、独自のマイワールドと価値観を持って行動しているとされています。想像力が豊かで芸術性が高いという特徴があり、エニアグラムタイプ4に対する周囲の人の評価は「変わった人」であることが多くなりがちです。

エニアグラムタイプ4は、「自分らしくあることが大切」と感じており、他の人が気付かないものを発見する能力に優れています。服装も特徴的なものが多く、変わったメガネやハットなど、外見からも強いこだわりを感じられます。

また、繊細で傷つきやすいという一面も持っています。ただ、自分が人から言葉で攻撃されるのは嫌でありながら、相手には攻撃的に接することがあります。エニアグラムタイプ4は、あまり他人と積極的に関わろうとしないため、仲間はできにくいかもしれません。

タイプ4の存在や人格を否定するような発言や、「夢を見ずに現実をみろ」といった指導は絶対に行ってはいけません。

タイプ4の見た目の印象

外見は、目が細めで涙袋が強く出る人が多く、唇が厚めという特徴があります。また、前述のように外見にこだわりが強く出ます。人とは違った服を好んだり、サングラスや帽子などの小物にもこだわりを感じます。『ムーミン』のスナフキンをイメージしてみるといいでしょう。

タイプ4の有名人としては、以下のような方々が挙げられます。

  • 本田宗一郎さん(ホンダ創業者)
  • 小泉純一郎さん(元首相)
  • 宇多田ヒカルさん(アーティスト)
  • 北野武さん(タレント)
  • 岡本太郎さん(芸術家)
  • きゃりーぱみゅぱみゅさん(アーティスト)
  • 堺雅人さん(俳優)

注意『自分の「性格説明書」9つのタイプ』より引用。外観や言動の特徴からの見立てによります。

タイプ4の特徴を表すキーワード

エニアグラムタイプ4の特徴はなんといっても「個性」に関わるものです。

  • 自分らしさ
  • 独創的なアイデア
  • 繊細
  • 芸術的
  • 人と違う
  • 本質
  • 価値
  • 感動
  • ユニーク
  • 妄想好き
  • 感情の起伏が激しい
  • 表現力豊か




自分をエニアグラムタイプ4と感じる人の思考や行動の傾向

エニアグラムタイプ4は、「個性的である」ことを重視する傾向にあるため、以下のような行動や考え方をする人が比較的多いでしょう。

  • 本質・直感が重要と強く感じ、そのことを他人に分かってもらずともよいと感じる
  • 「あなたは変わっているね」と言われたことが何度もある
  • 「ユニークである」「他の人にないものを持っている」と評価されたい
  • 本質を追求できるなら他者と意見が違っても苦にならない
  • 否定的な意見を聞くと生きている価値がないように感じてしまう

エニアグラムタイプ4はハート(感情)センター

エニアグラムセンター
タイプ4はハートセンターであり、感情に従って行動をします。自分が感じたイメージをそのまま言葉に表現することもあり、相手に伝わりにくいこともしばしば。また、スピリチュアルなものを好むという一面があります。もの事に対して感動もしますし、人に対して感動や夢を与えることを発言したり、モノ作りをすることを好みます。

タイプ4は、ハートセンターの3つの中でも、とくに「自己愛的苦痛」に苦しむことが多くなります。周囲の人から、その個性的な特徴をなかなか理解されないことが多いため、自己否定に陥ってしまうこともあるのです。

タイプ4の成長(統合)と恐れ(ストレス)

タイプ4の成長方向はタイプ1【改革する人(reformer)】、ストレス方向はタイプ2【助ける人(helper)】になります。それぞれの詳細について紹介します。

エニアグラムタイプ4成長方向

タイプ4の成長方向は「タイプ1」

タイプ4の成長方向はタイプ1であり、自己抑制的な行動を心掛け、自己の空想にふけらずに現実に向き合うようになります。

タイプ4が成長するためには、基準に従って忍耐力を持つ必要があります。タイプ4は感情の浮き沈みが激しく、自分の考えに正直であれば許されると感じています。ただ、それでは現実世界から逃げていることと変わりません。

自分で基準を作り、その基準に従いながら一貫した行動を続けることが、タイプ4の成長に繋がります。

タイプ4の恐れ(ストレス)の方向は「タイプ2」

タイプ4はストレス下において、タイプ2の不健全な行動を取るようになります。相手に対して攻撃的な一面を持っておきながら、人から完全に切り離されることを恐れるあまり、過剰なまでの援助を行ってしまうことがあります。

「相手にとって自分が重要な存在であることを分かってもらいたい」という気持ちからの行動であり、相手に急接近して気持ちをつなぎ止めようとします。エニアグラムタイプ2のように、相手から「ありがとう」「すごいね」といった、評価の言葉を欲するようになってしまうのです。




エニアグラムタイプ4のウイング

エニアグラムには両翼「ウイング」があります。タイプ4のウイングは「タイプ3:達成する人」と「タイプ5:調べる人」であり、どちらかの一方の特性を持っています。ここでは、タイプ4のウイングの特徴について紹介します。
注意タイプ分類の名称に関しては、「THE ENNEAGRAM INSTITUTE」の表現を使用させていただいております。

ウイング3は【貴族(Aristocrat)】

ウイング3をウイングに持つタイプ4は、タイプ3の向上心や目標達成といった特徴を持ち、会社などの組織において活躍しやすいでしょう。他者からの適切な評価を求めるようになるため、独創的過ぎる表現を抑制する意志も持ち合わせています。

ただ、他者や組織にとっての自分の存在価値をウイング5よりも意識してしまうので、競争意識が強いという一面もあります。

ウイング5は【ボヘミアン(Bohemian)】

エニアグラムタイプ5のウイングを持つタイプ4は、内向的な傾向が強くなります。あまり他者からの評価を気にすることはなく、自らの独創性とタイプ5の最大の特徴である「探究心」をいかんなく発揮します。ウイング3よりも自己表現が強くなるため、相手に理解されないこともあります。

現実の世界から離れて独自の思考の世界に陥ることもあるため、組織においては時に独創的な発明などを行いますが、非社交的な印象を与えることがあるでしょう。




エニアグラムタイプ4が陥りやすい仕事上の課題と対策

タイプ4は独創性を重視して、自信が特別である事を求める気質であるため、仕事上では以下のような課題に直面する事があります。

【課題1】独特な自己表現を使い傷つきやすい

タイプ4は、社内でのコミュニケーションにおいても、独特な自己表現を行う傾向にあります。上司などから「Aなんだね」と言われても、「いいえ、違いますBということです」と返答するなど、内容は同じであっても違った表現で応対しようとします。

あくまで自分なりの表現を重視した会話をすることがあるため、指導する立場の人やタイプ4の特徴を知らない人はイライラもするでしょう。

ただ、タイプ4は繊細で傷つきやすい一面もあるため、発言を即座に否定することはもちろん、ちょっとした注意も重く受け止めて信頼感を失います。タイプ4の発言を受け止めた上で、現実的な仕事の進め方の話をするように心掛けましょう。

【課題2】責任感や義務感が不足した行動をする

タイプ4は自分らしさを重視した行動をすることが多く、社会的な責任や義務をあまり考えずに突然業務放棄をしたり、理想を求めて転職してしまうこともあります。他人から求められた責任や義務といったものは、タイプ4にとって守べきものとは受け止められないのです。

社会的ルールについては疎いため、社内において決められているルールや常識といった感性が低いという特徴があります。わたしの知るタイプ4の後輩の中には、製造ラインで緊急停止ボタンを興味で押すような人もいました。

また、上司や同僚とも距離を置いて行動したいという気持ちがあり、自分が好感を持った人と仕事をしたがります。タイプ4の「その人らしさ」を認めた上で、ルールなどを守ることで仕事を良い方向に進めたいことを伝えましょう。




エニアグラムタイプ4の上司と関わる際のポイント

エニアグラムタイプ4の上司は独創性に優れるため、企画や新しいアイデアで悩んでいることがあれば、すぐに独自の視点からアドバイスをくれるでしょう。

一方で、部下に対しても独創性を求めることがあり、相手を認めないと否定的な行動を取りがちなので、荒削りでも「自分の言葉」で表現することを意識しましょう。

ただ、「今、ここ」を意識した行動が上司でも苦手な人がいるため、指示の内容が変わったり独特な表現でわかりにくいこともあります。こまめに進捗状況を伝えながら、具体的(現実的)な指示を確認しましょう。会社の目標と大きくズレないように、継続してフォローすることが部下にも求められます。

タイプ4の恐れは「自分の存在価値がない」と感じることです。上司も存在価値やアイデンティティーを脅かされることは好みません。上司の存在が大事であることを伝えることも忘れないようにしましょう。

ハート(心)センターでもあるので、自分が悩んでいることは素直に上司に相談しても大丈夫です。

エニアグラムタイプ4の適職事例

独自のマイワールドを持つタイプ4は、古くからの慣習や既存のものに囚われず、新しい表現や価値を創造する力に優れています。

デザインや企画といった新しいものを生み出す仕事はもちろん、以下のようなものが適職と考えられています。

  • 企業の商品開発、経営企画部門
  • 広告会社
  • テレビ局
  • ウェブ関連企業などの制作部門
  • 芸術家
  • 研究職
  • プランナー




エニアグラムタイプ4の健全さのレベル

エニアグラムタイプ4の「健全さ」のレベルによる違いは、自分の価値の評価や他者への関わり方に大きな違いがあります。

健全レベル

健全なエニアグラムタイプ4は、自己陶酔やマイワールドへの没頭が無くなり、現実的な対応を行うようになります。妄想と現実が混ぜこぜになりがちなタイプ4が、「今、ここ」にあって現実と向き合います

独創的なアイデアや表現力はそのままに、創造力に溢れて社会に貢献します。また、自分が発する言葉の影響をわきまえているため、自分らしい表現にこだわって相手を混乱させることはありません。

傷つきやすく被害妄想の強いマイナス面は鳴りを潜め、冷静で落ち着きがあり自らを客観視することができます。

通常レベル

通常レベルでは、自分の存在価値を認めてくれる人と接しようとします。自意識が強く他者と距離を置きたがるため、マイワールドを相手に理解されたいと思いつつも、分かってくれないと見るや距離を置くようになります。

また、感情の起伏が激しく、どちらかというと悲観的なことが多くなります

相手とのコミュニケーションにおいても、求められたことにそのまま答えることが少なく、話すことが移り変わりやすくなります。アイデアや創造性に優れていますが、独創的な表現をそのまま言葉にしてしまうため、相手に理解されないこともあります。

不健全レベル

不健全なレベルに陥ると自己の存在価値を否定する傾向が強まります。もともと繊細な一面もあるので、自分の価値を認めてくれない人に対しては、時に攻撃的にもなります。

また、人に自分のことを受け入れてもらいたい気持ちが前面に出過ぎるため、相手に尽くそうという行動をすることもあります。

他者からの提案や手助けを自ら拒否することもあり、そんな自分に対して自己嫌悪に陥り、「うつ病」などになることもあります。




【おまけ】エニアグラムタイプ4の人と付き合うには

エニアグラムタイプ4は、他の人が絶賛するような人を避ける傾向にあり、明らかに自分では手が届かないような人を追いかけることもあります。

感情の浮き沈みは激しい方なので、すごく元気かと思ったら180度反転して消極的になることもあります。この変化の激しさに寛容的に接っし、タイプ4の存在価値を否定しない人に安心を感じるでしょう。

また、束縛を嫌う人が多いので、同じように束縛をしにくく、あまりネガティブにならない「エニアグラムタイプ7:熱中する人」と相性が良いでしょう。

目的地や時間を決める計画的なデートもあまり好まないので、その場の流れに任せて「モヤさま」ばりに自由気ままなデートの方がいいでしょう。ロマンチストな一面があるので、ベタなシチュエーションや愛情表現の言葉も好まれます。相手の独創性を楽しみ、その価値観を認めてあげることが特に大事です。




会社で活用するエニアグラムの無料webセミナー開催

エニアグラムセミナータイプ4
職場での人間関係に悩んでいる人や、組織開発の際に社員の特性を見極めたいと考えている人事担当者向けの無料セミナーを開催します。今回は、「エニアグラムタイプ4」についてとなります。ご応募は、下記リンク先にてお願いします。

まとめ:エニアグラムタイプ4とは?

エニアグラムタイプ4の特徴や働く上でのポイントなどを説明してきましたが、いかがだったでしょうか?

タイプ4の特徴は以下の通りです。

  • 独創性と創造性でクリエイティブな働きをする人が多い
  • 独自の世界観で人と接するため、理解されなかったりトラブルの原因となる
  • ウイング9は大局的な目線で行動し、ウイング2は政治的な素養がある
  • エニアグラムタイプ4の上司にはアドバイスを求め、定期的な指示確認が必要
  • 健全なレベルではマイワールドに閉じこもらず開けている
  • 健全度が下がると他者に自分を理解させようと振る舞う
  • エニアグラムタイプ4と付き合うには、「モヤさま」的な自由さと、ロマンティックさを演出する

エニアグラムタイプ4は「個性的」という言葉で表現されることが多いですが、その個性を認めてもらえないと力を発揮することもできません。

タイプ4の独創性は他のタイプにはない素晴らしいものです。タイプ4の人は自らの存在価値に自信を持ちましょう。そして組織においてタイプ4と関わる場合には、まずその考えをしっかり受け止めることから始めましょう。

本記事の参考書籍

・自分の「性格説明書」9つのタイプ:安村明史 著
・9タイプ・コーチング:安村明史 著
・エニアグラムーあなたを知る9つのタイプ 基礎編:ドン・リチャード・リン、ラス・ハドソン 著
・THE ENNEAGRAM INSTITUTE:海外サイト