エニアグラムタイプ9

※このページにはPR広告を含みます

エニアグラムタイプ9は、関連するさまざまなwebサイトや書籍で、調和と平和を求める人と表現されています。

組織においては、自らはもちろん所属する全ての人たちが平穏な時を過ごせすように、調停役に回って行動をします。穏やかな印象を与え、怒りを爆発させることもほとんどありませんが、自己主張が足りないと感じる人も多いでしょう。

ここでは、エニアグラムタイプ9の特徴や仕事上の課題、上司との関わり方などを紹介していきます。




エニアグラムタイプ9の「調和と平和を求める人」の特徴

エニアグラムタイプ9は、「調和と平和をもたらす人(Peacemaker)」の名の通り、内的・外的両面の平和を求めます。

自らの心(内面)が平穏であるためには、エニアグラムタイプ9と関わる周囲の人たち(外的存在)も仲良く平和であることを望んでいます。闘志は内に秘めており、あまり表には出しません。

エニアグラムタイプ9は、包容力のあるゆったりとした雰囲気を持っており、穏やかで協調性に富み、人の気持ちを理解できるという特徴があります。物事に動じることがあまりなく、忍耐強く痛みにも鈍い人が多いようです。

ただ、マイペースなため積極性には欠けます。エニアグラムタイプ9は、右か左かなどの決断を迫られたときには、どれも正しく感じてしまい、優柔不断な一面を見せることもあります。職場に限らず、エニアグラムタイプ9は組織における「調整役」のポジションになることが多くなります。

タイプ9の見た目の印象

外見的な特徴は柔和な印象で、おっとりとして穏やかな笑顔を浮かべています。寡黙な努力家という一面もあってガッチリとした人も多くいますが、キリッとした印象は与えません。

タイプ9の有名人の一例としては、以下のような方々が挙げられます。

  • 綾瀬はるかさん
  • 優香さん
  • 松坂慶子さん
  • 花田虎上(まさる)さん
  • 濱口京子さん
  • 瀬川瑛子さん

注意『自分の「性格説明書」9つのタイプ』より引用。外観や言動の特徴からの見立てによります。

タイプ9の特徴を表すキーワード

エニアグラムタイプ9の特徴を表すキーワードは、以下のようなものがあります。

  • 平和
  • どっちでもいい
  • 包容力がある
  • 調停
  • 協調性
  • 心が広い
  • なんとなく
  • 人に合わせる
  • 繋がり
  • 癒し
  • マイペース
  • 優柔不断
  • 惰性的
  • 自己卑下



自分をエニアグラムタイプ9と感じる人の思考や行動の傾向

エニアグラムタイプ9は、「平和で調和が取れている」ことを重視する傾向にあるため、以下のような行動や考え方をする人が比較的多いでしょう。

  • 「どのようにすればよいですか?」など判断を求められることが苦痛である
  • 他人から文句を言われても、「それもそうだ」と納得してしまう傾向がある
  • 「忍耐強い」「おっとりしてる」「物事に動じない」とよく言われる
  • 「明日できることは今日しない」という感覚が強くある
  • 幼いころ「やさしい子だね」と言われ、親の手伝いをよくした

エニアグラムタイプ9はガッツ(本能)センター

エニアグラムセンター
タイプ9はガッツセンターの中心ですが、ガッツセンターはまず体が動くというように、現実的世界での自分の存在感を確固たるものにしたがります。

ただ、タイプ9は本能センターでありながら、スピリチュアルを指向している一面があり、他のガッツセンターのタイプに比べて現実から離れた感覚を求めてしまいます。

エニアグラムタイプ9の成長(統合)と恐れ(ストレス)

タイプ9のストレス方向はタイプ6【忠実な人】であり、成長方向はタイプ3【達成者】となります。それぞれの詳細について紹介します。
エニアグラムタイプ9成長方向

タイプ9の成長方向は「タイプ3」

タイプ9は「なんとなく」といった感覚で動くことが多く、やりたいことがあっても明確な目標としては設定することが少ないため、5W1Hがボヤけがちです。

そういったタイプ9が、成長方向の【タイプ3:達成者】に向かうと、明確な目標を設定して自らの判断で行動をし続けます。惰性的な行動を打破し、自らの存在価値を認めるようになります。

タイプ9の恐れ(ストレス)の方向は「タイプ6」

ストレス下のタイプ9は、その我慢強い特徴が陰りを見せ、不健全なタイプ6のように不平・不満を表面に出して、他者に対して攻撃的な一面を見せることがあります。

今までタイプ9のマイペースさを活かしてゆったりと活動していたのに、急に不安を覚えて活動的になりプレッシャーにさらされることもあります。また、逆にストレスに反応することなく惰性的になって、人との衝突を避けるために関わりを断つことがあります。




エニアグラムタイプ9のウイング

エニアグラムには特定のタイプの両側に「ウイング」があります。タイプ9のウイングは「タイプ8:挑戦者」と「タイプ1:完璧主義者」であり、どちらかの特性を持っています。ここでは、それぞれのウイングの特徴について紹介します。
注意タイプ分類の名称に関しては、「THE ENNEAGRAM INSTITUTE」の表現を使用させていただいております。

ウイング8は【調停者(Referee)】

ウイング8を持つタイプ9は、リーダーシップを発揮しながらチームをまとめあげる「調停者」という特徴を持っています。人の気持ちを察しながら、持ち前の忍耐強さや精神的強さを活かして粘り強く関わっていくでしょう。人と一緒に仕事をすることで、その能力を遺憾なく発揮します。

ただ、健全度が下がるとタイプ9の頑固さとタイプ8の攻撃性が出やすくなることもあるので、他者の意見に耳を貸さなくなってしまうこともあります。

ウイング1は【夢みる人(Dreamer)】

エニアグラムタイプ1のウイングを持つタイプ9は「夢みる人」と呼ばれています。想像力に富んでおり、自らの理想的な目標を見据えて行動をするという特徴があります。目標を理解した上で、タイプ1のように向上心を持って行動するため、組織においても成功しやすいでしょう。

健全度が下がるとタイプ9の惰性的な面も出てくるため、一つのことに固執し続けてダラダラと行動をすることがあります。また、ウイング8のタイプ9よりも、挑戦的な行動が少なくなります。




タイプ9が陥りやすい仕事上の課題と対策

タイプ9は健全さのレベルが下がると、さまざまな仕事上の課題が表出してきます。ここでは、タイプ9の仕事上の課題を2つ紹介します。

【課題1】自分の意見を言わない

職場におけるタイプ9は、同僚たちとの調和や平穏な関係を大切にするため、どっちつかずの優柔不断な行動を行いがちです。リーダーや管理職といった役職であっても、部下を指導しなければいけない局面でもリーダーシップを発揮しにくいことがあります。

タイプ9の囚われは「人との関係が離れることを恐れる」であり、他者との衝突を避けて自分の意見を主張することを怖れます。

また、マイペースな一面もあるので、あまりプレッシャーをかけずに、仕事の目的や優先順位といった項目から確認を行いながら、発言する機会を設けることが必要です。高圧的な態度で急かすように接すると、「課題2」にあるような断固たる拒否の姿勢を示すようになりかねません。

【課題2】頑固になり仕事を拒絶する

タイプ9は、感情的になって不満や怒りを出すことがほとんどありませんが、数年に一度すさまじい勢いで怒りを爆発させることがあります。

仕事上でストレスを感じているときは、依頼された仕事を遅らせたり、意思決定を遅らせたりすることで、静かな反抗の姿勢を見せます。しだいに周囲の方がイライラしだすので、それでもタイプ9はさらに頑固になって拒絶の姿勢を示します。

上司や同僚は、タイプ9が意見を言うことで嫌われるという恐れを理解した上で、少しずつでいいので本音や怒りを表に出してもらうように関わる必要があります。




エニアグラムタイプ9の上司と関わる際のポイント

タイプ9の上司は、包容力があり落ち着いた雰囲気を持っています。ただ、ひと度トラブルなどが起こると、爆発的なエネルギーで、頼もしく立ち回ってくれるという一面もあります。

業務計画はマイペースでゆったりとしたスケジュールを組みがちなので、期限が近い案件がある時には、期限を明確に伝える必要があります。とはいえ、あまり決断を迫ってばかりいると、優柔不断な回答をすることもあるので、ある程度余裕を持って関わるようにしましょう。

また、タイプ9の上司は部下を見守る傾向が強く、問題が発生していたとしても、自ら積極的に関わってくることはないかもしれません。自分だけで対処することが難しくなった場合は、声に出してヘルプを求めるようにしましょう。

エニアグラムタイプ9の適職事例

タイプ9は穏やかで包容力があり、仕事においては全体のバランスを考えて、みんなが余裕を持ってゆったりと関われるような場を作ろうとします。ただ、優柔不断な一面があって自分では決断を下せないことがあります。

タイプ9は自分から進んで評価されようといった行動はしないので、控え目な印象を与えるでしょう。ただ、人の意見を否定せずに、みんなの意見を調停しようと話をしっかりと聞きます。

タイプ9の特徴を活かすためには、長期展望や調整力が求められる以下のような仕事が適職として考えられます。

  • 企業の人材育成・研修部門、総務部門
  • 接客業
  • 看護士
  • ケアマネージャー
  • カウンセラー



エニアグラムタイプ9の健全さのレベル

エニアグラムには、成長(健全)のレベルが「健全、通常、不健全」の3つの階層に分けられています。ここでは、エニアグラムタイプ9の健全さのレベルによる特徴を紹介します。

健全レベル

タイプ9特有の落ち着きや穏やかさを持ちながら、他者と積極的に関わって対人関係に多くの時間をかけます。基本的には受動的ですが、創造的で前向きなビジョンを示し、自ら動き出してダイナミックな行動をすることもあります。

タイプ9は、人と関わる時に表面上は寄り添っていても内面ではどこか距離を置くという特徴があります。しかし、健全度が高いと内面的にも人と距離を近づけ、人の気持ちを楽にするために天性のカウンセラーとして行動します。

通常レベル

自己主張をせずに周りの意見に合わせることで、自分を守ろうとします。その際、自分は意見を言わなくても、周りは分かってくれているだろうと考えます。

内的平穏が壊されることを恐るため、問題が発生したとしても距離をおいて大丈夫なように振る舞います。問題の重要性を過小評価する傾向にありますが、実は内面では焦っています。怒りやストレスは溜め込み続け、滅多に怒ることはありません。

不健全レベル

不健全なタイプ9は、問題に直面すると頑固になって心を閉ざします。また、突然他の人との連絡を断つことがあります。連絡を断たれた側は、タイプ9がなんで怒っているのか分からないことが多くあります。

健全どがさらに下がると、落ち込みやすく無力感を味あうことがあるため、自己防衛のために他者との関係を断ち切って自分の内面の平穏にしがみつこうとします。




【おまけ】エニアグラムタイプ9の人と付き合うには

タイプ9は運動が好きという一面があるので、みんなでワイワイできるようなスポーツに誘うといいでしょう。

スピリチュアルに傾倒する人も多いので、神社・仏閣などのパワースポットや山や湖などの自然と一体になれるスポットでゆっくりと過ごすことも好まれます。

聞き役になることが多いタイプ9には、「今何がしたいか」などの質問をゆっくり問いかけて、話を急かさずに待つという関わりも重要です。いきなり核心に迫るような質問がせずに、「無理に言わなくていいよ」など発言を焦らせないようにしましょう。

タイプ9の最大の恐れが「人との関係が途切れること」です。そのため、側にずっといるということを和やかな言葉で伝えることが効果的です。




会社で活用するエニアグラムの無料webセミナー開催

エニアグラムタイプ9セミナー
職場での人間関係に悩んでいる人や、組織開発の際に社員の特性を見極めたいと考えている人事担当者向けの無料セミナーを開催します。今回は、「エニアグラムタイプ9」についてとなります。ご応募は、下記リンク先にてお願いします。

まとめ:エニアグラムタイプ9とは?

エニアグラムタイプ9の特徴や働く上でのポイントなどを説明してきましたが、いかがだったでしょうか?

タイプ9の特徴は以下の通りです。

  • 包容力があり穏やかに人と関わるため「調整役」としての役割を果たすことが多い
  • マイペースで人との距離が離れることを恐るため優柔不断になりがち
  • ウイング8はリーダーとしてチームをまとめ、ウイング1は目標を明確に見据えて行動する
  • エニアグラムタイプ9の上司には声を出して助けを求めたほうがいい
  • 健全なレベルでは穏やかながらもダイナミックに行動し、健全度が下がると人との関係を断つことがある
  • エニアグラムタイプ9と付き合うためには発言を焦らせず、側に居続けることを伝える

エニアグラムタイプ9は穏やかにマイペースに仕事をする人が多くいます。自己主張をしない人が多いので、答えることが負担にならないような質問をしながら、発言することが安心な場であることを理解してもらうようにしましょう。

本記事の参考書籍

・自分の「性格説明書」9つのタイプ:安村明史 著
・9タイプ・コーチング:安村明史 著
・エニアグラムーあなたを知る9つのタイプ 基礎編:ドン・リチャード・リン、ラス・ハドソン 著
・THE ENNEAGRAM INSTITUTE:海外サイト