メンタルヘルスチェック後のセルフケアのコツ|ストレス自己対策方法9選

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あなたはメンタルヘルスについて意識したことはあるでしょうか?

精神的に大丈夫と思っていても、実はかなり追い詰められて軽度のうつ病になっているなどということもありえます。ここでは、『改正労働安全衛生法』により企業でも浸透し始めている「メンタルヘルスケア」について紹介していきます。




メンタルヘルスの必要性

ストレスチェック
現代の世の中はストレス社会と呼ばれるように、職場や家庭などあらゆる場面でストレスが深刻化しています。メンタルヘルスの現状は課題が山積みですが、「心理カウンセリング」などの体制も整いつつあります。

「メンタルヘルス・マネジメント検定」が、大阪商工会議所の主催で始まっており、各企業でも総務課をはじめとして労務管理に携わる人が検定を受けるケースも増えています。

メンタルヘルス・マネジメント検定:試験詳細ページ

日本メンタルへルス協会では、健康を維持するために精神力を向上するあらゆる活動を行い、ストレス対策を指導するのはもちろん、メンタルヘルスで困っている人のサポートなど、以前に比べると日本でのメンタルケアに対する意識は高まっています。

精神衛生、心の健康は自分だけでなく周囲のサポートがとても重要です。現代社会にあわせた対応がさらに要求されている今日。ストレスと上手に付き合う事も私たち社会人には求められているのです。

ストレスについて知ろう

ここでは、まず「ストレス」というものについて知識を深めてみましょう。

ストレスとは?

ストレスとは、「大きな変化」のことを表します。日常生活で起こる感情的な影響の積み重ねがストレスとなり、精神健康状態を左右します。

「大きな変化」といえば、下記のような人生上の大きなできごとを考える人が多いでしょう。

  • 病気や事故
  • 身内の死
  • 引っ越し
  • 昇進
  • 転職
  • 結婚

当然これらはストレスの大きな要因となりますが、以下のような小さな「日常の苛立ち(デイリーハッスルズ)」も、積み重ねによって命を脅かす「キラーストレス」になることがあります。

  • 自分の将来への悩み
  • 職場での人間関係トラブル
  • 字が上手く書けない
  • 人と肩が当たる
  • 通勤ラッシュが負担

些細なことでも、あなたの精神を蝕んでいく可能性があるわけです。

ストレスには、コレステロールと同様に「良性」「悪性」の2つがあります。「ストレス過多状態」というのは何も悪いことばかりではなく、「良性のストレス」が過多の状態であれば精神的な悪影響は少なくなります。

悪玉のストレスが過多の状態では、ストレスホルモンである「コルチゾール」が分泌され、血管が収縮した状態になります。そのため、末端まで血液が流れにくくなり、末端の体温が下がります。このため、ストレスの状態を正確に検査するには、血液検査が最も効果的となります。

しかし、今では病気の判断とまではいかないまでも、「精神病のリスクが高いか否か」といった検査を、チェックテスト形式で行うことができるようになっています。

ストレスチェックを簡易的に行う方法

厚生労働省ストレスチェック

厚生労働省「ストレスチェック等の職場におけるメンタルヘルス対策・過重労働対策等」厚生労働省
ストレスチェックを無料で、かつ簡単に行う方法があります。それは「厚生労働省のストレスチェックプログラム」を活用すること。

メンタルヘルスに関しては、日本の労働に関わる厚生労働省にとっても大きな課題であり、自主的に精神状態をチェックできるテストを公開しています。「個人用」と「企業用」の2種類があり、どちらも質問に回答するだけで結果を得られます。

個人用「5分でできる職場のストレスセルフチェック」

5分でできるストレスチェック

こころの耳「5分でできる職場のストレスチェック」厚生労働省
厚生労働省のページの中で、個人用のストレスチェックプログラム「”こころの耳”5分でできる職場のストレスセルフチェック」というものがあります。

こちらは「4項目の質問」に答えることで、ストレス状況をチェックすることができます。

【STEP1】仕事について(全17問)
【STEP2】 最近1ヶ月の状態について(全29問)
【STEP3】周りの方々について(全9問)
【STEP4】 満足度について(全2問)

5分と書いてあるように、それほど時間はかかりません。実際に私が実施してみたところでは4分程度で回答できました

またチェックが終了すると、下記のような結果を受け取ることができ、自分の精神状況に関して、

  • ストレスの原因因子
  • ストレスによる心身反応
  • ストレス反応への影響因子

という3つのレーダーチャートを確認することができます。

実際に行ってみた結果は以下の通りです。
ストレス診断の結果

当然ですが、ストレスチェックが終われば全て終了というわけではなく、メンタルヘルスケアに関する簡単なアドバイスも受けられます。

ただし、その内容はそれほど濃くはありません。あなたのストレス状態を分析するだけであり、「うつ病」などの病気であるという判定をしてくれるものではないからです。

あくまで「ストレス過多状態にある」といった判断のみですので、「うつ病」などの精神病の診断に関しては病院で診察を受けましょう。あなたが診察を受けるか否かの判断に役立てるためのものです。

このメンタルセルフチェックで重要なのは「定期的に行う」こと。当然、メンタルはその時々の環境で大きく変わってきます。ですので、メンタルヘルスの効果を上げるには、定期的に自分の精神状態を把握することが重要なのです。

無料でチェックは可能なので、気になるときに実施するようにしましょう。

企業用「厚生労働省版ストレスチェック実施プログラム」

企業用ストレスチェックシート
こちらは企業専用のストレスチェックプログラムであり、個人では実施できません。実際に私も会社でストレスチェックを受けていますが、ここでは個人の特定を避けるため、サンプルの掲載は控えさせていただきます。

企業によっては独自に別の民間サービスを用いてストレス診断を行なっている場合もあります。「THQストレス診断」などが有名で、こちらはストレス状態を細かく分析し、「コーピング」による対処法についても説明を受けることができます。

THQストレス診断:詳細については公式ページへ




効果的なストレス対処(ケア)方法はどれ?

ここで問題です。ストレスの対処方法としては、以下の4つが代表的な方法ですが、あまり効果を得られない方法はどれでしょうか?

効果が得られないストレス対策法はどれ?

【1】活動型:趣味、瞑想、スポーツなど
【2】リラックス型:睡眠、休養
【3】発散型:カラオケ、酒、タバコ
【4】会話型:友人、仲間、家族と話す

正解は、『【3】発散型』です。このストレス対処法はほぼ効果がないことが、国立公衆衛生院の過労死の権威「上畑鉄之丞」先生の研究で明らかとなっています。

仕事などで職務ストレス(過剰負担、職務圧迫感)が増えてくると、この『発散型』の対処が増加し、効果的である『活動型』『リラックス型』『会話型』といった対処法が減ってしまいます。

実際に多くの人が経験しているであろう「ストレスによる過食」とは、まさにこの状態が生み出しているものなのです。

過労死に関する論文:上畑鉄之丞先生の論文ページへ

「自分でできる」事前に精神を整えるメンタルヘルスケア

メンタルヘルスを行う上で最も重要なのは、やはり「自己ケア」になります。「コーピング」のように、ストレスに対して有効な方法はある程度特定されています。

精神的に治療が必要になる前に、自分で精神を整えることがメンタルを健全に保つコツですので、以下のような具体的な方法をとってみて気持ちを落ち着かせてみましょう。

【1】質のよい睡眠とる

何はともあれ、睡眠はストレスに非常に重要です。4時間以下の睡眠が約20週間など長期間続くことで、うつ病リスクは6〜8割まで上がると言われています。

睡眠不足は様々な病気の原因となります。特にストレスには質のよい睡眠が必要です。睡眠時間は個人差がありますが、日本人の理想的な時間は1日6時間半前後といわれています。仕事で深夜になる方などは、十分な睡眠時間が取れないため、この場合は質を高めることがポイント。すっと眠りにつけるような環境を整えましょう。

入浴すると副交感神経が働くため、リラックス効果がとても高くなります。血行の循環もアップしますので、睡眠の質を高めるコツです。しかし入浴直後は体温が高く、なかなか寝付けない場合もありますので、睡眠2時間前までには入浴するとよいでしょう。

【2】人と会話(コミュニケーション)をする

心の悩みを人に話すのは精神不安のサインではありません。逆に心の健康をチャージするためにとても大切。誰かに心の痛みを打ち明けることで、ストレスから解放され気分がリフレッシュする効果があります。

人に話すことなく一人で抱え込んでいると、解決されるどころか徐々にストレスが蓄積される原因となります。辛い時は、大切な人や専門家に会うだけでなく、知らない人と挨拶をするだけでも効果的。人とのつながりを感じることが、心の不安を減少させる方法なのです。

心を開いて会話をすることは自分の悩み解決だけでなく、同じ環境にいる人を元気づけることにもなります。決して一人では無いということを再確認してみましょう。

【3】定期的な運動をする

アクティブな生活をする人はいつも元気でハツラツとしています。運動すると脳内で快適な気分を感じる物質「セロトニン」が発生します。定期的な運動は自分に対する自信を高める為にも必要ですし、睡眠の質をアップするメリットもあります。

20代のうつ病患者の多くが「運動不足」という結果もあり、運動は肉体的な健康を維持するだけでなく、脳の働きを活性化する為情報処理する機能も活発になるメリットがあります。辛い時の対処や改善策も見つけやすくなりますので、一人で家にとじこもる生活よりも、意欲的な生活を心がけましょう。

そのためにも定期的な運動は心身共に健康を維持するために欠かせません。疲れた時ほど体を動かした方が、達成感もあり気分がよくなりますよ。




【4】趣味や得意なことをする

自分の好きなことや得意なことは、時間が過ぎるのも忘れてしまうほど楽しいものです。心の健康を維持するには、そんな時間を大切にすることが大切です。

得意なことはストレス発散にも効果的で、自信を取り戻すのにも効果的です。趣味の時間を充実させるなど、悩み改善になる時間作りをしましょう。嫌いなことを続けると、それは新たなストレスになってしまいます。メンタルヘルスが心配な場合は、気分転換できる工夫をすることが大切ですね。

また興味があることを追求するのもモチベーションを高める効果がありますので、日頃から気になる場所へ旅行したり、新たな分野を開拓する気持ちも大切にしましょう。

【5】栄養バランスを整える

食生活とメンタルヘルスはとても大切な関係があります。一例をあげるとカフェインと糖分。脳の働きに刺激を与える食べ物としてお馴染みですが、このように毎日私たちが口にするものはそれぞれに異なる役割があります。

精神面の健康を維持するためにはバランスの取れた栄養が欠かせません。精神面にも影響を与えると言われる内臓機能を健全に保つ為にも必要ですよね。そこで心身のバランスをとる為の栄養摂取のポイントを知っておきましょう。

野菜と果物・全粒粉のシリアルやパン・ナッツ類・牛乳やチーズなどの乳製品・魚類・水分補給。また大量のカフェインや糖分の摂取はなるべく避けて、脳の働きを不安定にしない事も注意。コーヒーは1日2杯までを限度にしてくださいね。




【6】呼吸法で心を安定させる

忙しい生活を送っていると常に体の筋肉が緊張した状態が続いてしまいます。呼吸方法をマスターして心を安定させましょう。疲れた時や寝る前の数分間、ゆっくり複式呼吸をしましょう。

酸素が充分に体内に取り込まれることで自律神経が安定し不安やイライラなどの症状が軽減されます。深呼吸は心拍数が落ち着く効果がありますので、自己制御機能が安定しリラックスしやすくなります。

仕事中に疲れた時などはいったん手を止めてゆっくり複式呼吸を繰り返しましょう。緊張感を取り除くことがメンタルヘルスでもとても重要なポイント。忙しい時こそ自分の体調管理には敏感になりたいですね。屋外に出て新鮮な空気をたっぷり吸い込み、気分転換をしましょう。

【7】日記を書く

悩み事を一度頭の中で考え始めると、無限にいつまでも続くような不安に襲われることがあります。そこでメンタルケアをする方法の一つとして「書く」という方法があります。

ストレス状態下では「逃避行動」に出る人も少なからずいますが、直面するトラブルなどは、文字として表現することで落ち着いて事態を把握することができ、精神面での不安を取り除く助けになります。実際の研究でも「書く」ことがうつ病の症状を軽減する効果があることもわかっているようです。

そこで精神面での不安を抱えている場合は、毎日日記を書いてみましょう。その日一日を振り返り、良かったことと悪かったこと、改善すべき点などを書いてみると良いでしょう。書くことはストレス発散になり、心の闇を発見するためにも大変効果的ですよ。




【8】プラス思考になる

うつ病などの精神疾患の方に多いのがマイナス思考。自分に対して否定的になってしまうとストレスが溜まる原因です。プラス思考に転換する為には、自分の得意なことや好きな物事を取り入れ、モチベーションを高めることが大切。

職場での失敗や人間関係の悩みなどは誰でも抱えています。辛い時は決して一人でなく、必ず誰かがサポートしてくれると安心しましょう。心の健康を維持するためには、ストレスと上手に付き合うことが大切な為、辛い環境の中でもプラスを見いだせる工夫が必要ですね。

私達は基本的にマイナス的に物事をとらえる方が楽に感じるもの。そこであえてプラス意識を持つ続けることがメンタルヘルスにも大切です。

【9】お酒の飲み方に注意する

お酒を飲むとストレス発散になると信じている人もいるでしょう。孤独感を感じる時や不安な時など、お酒の力で改善しようとしてしまいます。

しかしアルコール成分が体内からなくった時、頭の中ではさらに悩みが深刻に悪化したように感じます。飲酒は精神不安を安定させる方法ではありませんので、飲酒の習慣は慎重に判断しましょう。適度な飲酒は気分転換になりますが、飲み過ぎはメンタルヘルスには悪影響。

そこで、覚えておきたいのがお酒の安全な飲み方。「男性は週に3,4杯」「女性の場合は2,3杯」程度が良いといわれています。お酒の変わりにタバコを吸う方も多いですが、依存しやすいものはなるべく避けましょう。

まとめ:メンタルヘルスチェックとセルフケア

精神不安はそのまま放置してしまうと、深刻な疾患に発展する可能性があります。対人恐怖やひきこもりなど、現代社会では大変重大な問題になっていますよね。しかし自分のメンタルヘルスは判断がしにくく、知らない間に心に負担が蓄積されている状態となってしまいます。

そこで「心身のサインを早期発見する」ことが回復への近道なのです。長期的に続く疲労感、何をしても楽しめない、人と会うのが嫌。そんな心の疲れにいち早く気が付くことが大切です。

休みの時間などを有効に過ごし、セルフチェックをしてみましょう。完璧主義やがんばり屋さんは特に注意。忙しい時ほど心の声を聴いてあげることが大切ですね。小さなサインも見逃さないことが心の健康を維持するコツなのです。