【就職体験談】「うつ病」などの病気が原因でニート状態だった人の就職活動

病がニートの引き金になった人の就職活動

「ニート」の定義は働いていない状態を指しますが、「働けない」ような状態に陥っている人もいます。

就職を経験しているものの「うつ病」などの精神病を患って退職し、そのまま就職ができない精神状態になることもあるのです。また、肉体的な病気の経験が原因で精神的に働くことが億劫になる人もいます。

ここでは、何らかの病気が元でニート生活を送っていた人たちの就職体験談をお伝えします。




精神的な不調で前職を退職したA.Rさん


前職で患った精神的な不調と体調不良が改善してきたのと、親のプレッシャーもあって仕事をしないといけないという意欲が出てきました。

派遣のお仕事で職場復帰

派遣アルバイトによるPC販売の仕事に就職しました。スーパーカルフールの店内にて、展示用PCのセットアップや展示用PC販売の際の初期化、陳列、接客販売、POPの制作などが主な業務内容です。

同僚がいないのが若干不安だった

トータルでは楽しく働けましたが、同じ派遣先の同僚がいない部分が働いていて心細かった。制服が支給されないためお客様にも混乱があった覚えがあります。

面接内容

面接時の質問と回答
Q1.仕事していない期間はどうしていたのか?
A1.仕事をしていなかった期間は体調を崩していたこととその理由、仕事を探していた期間があると答えました。

Q2.大学の学科はどんな学科で何を学んだのか?
A2.大学の学科についてはゼミや講義の内容を答えました。

Q3.自宅からの通勤手段、距離
A3.通勤手段は自宅から掛かる時間まで細かく答えました。

就職活動で準備したこと

パソコンの勉強をしなおしたり、各種就職雑誌を読んだり、タウンワークをもらったり、履歴書用の写真を普通サイズのプリントでたくさん作れるようにした覚えがあります。

最初はなかなか行動できなかったですが、準備し始めてからは少しづつ就労意欲も湧いてきました。




障害年金で生活していたM.Oさん


障がい認定されてから障害年金を貰っていましたが、年金だけでは生活に苦しく親に車のガソリン代などいろいろ金銭面で頼っていたので、少しでも自立しようと思い就職を決意しました。

支援を受けての就労

就労移行支援A型事業所で室内でのパソコン作業や農作業、車屋の洗車などを行っており1日4時間の軽作業です。

看護師時代の規則正しい生活が戻った

働く前は1日だらだらテレビ見てから寝るなど不規則な生活をしていました。今は、朝決まった時間に起きてご飯3食食べて寝る時間も同じで規則正しい生活になり、汗をかいて運動することが多くなりました。

体調面を考慮した質問が多かった面接

面接時の質問と回答
Q1.仕事をしていくにあたってちゃんと朝起きれますか?
A1.朝起きは仕事していくので自覚して起きて行くきます。

Q2.以前は何の仕事してましたか?
A2.短期間ではありますが、看護師と保育園勤務をしていました。

Q3.現在の体調はどうか?
A3.体調は、定期的に受診しながら薬を飲み現在は落ち着いている。

自分を見つめ直すことから始めた

就職活動をするにあたっては、まず自分が何を大事にして仕事をしていきたいのか、自分は何に向いているのかなどを考えました。

また、基本である身だしなみを整えたり事前に面接の練習をして言葉を整えていきました。




「うつ病」に苦しんでいたH.Iさん


「うつ病」で療養していましたが、体調が少しずつ良くなってきたので社会復帰したいと思うようになりました。いつまでも両親に甘えてはいけないと考えて就職活動を行いました。

初めての接客業にチャレンジ

洋菓子店に就職して、人生はじめての接客のお仕事をしています。ケーキの販売だけでなく、ギフトラッピングや売上管理、在庫管理などの事務作業も行なっています。

働いてみての感想

ニート状態だったので、接客業になると人との出会いの多さに驚きました。仕事に慣れるのに3ヶ月ほどかかりました。

終始和やかな面接だった

面接時の質問と回答
Q1.ブランクの間は、何をして過ごしていましたか?
A1.体調が完全に良いわけではなかったので、ブランクの間は病気療養していたことを伝え、好きな手芸などをして過ごしていると答えました。

Q2.なぜ、この会社を選んだのですか?
A2.マニュアル的でない親しみやすい接客に魅力を感じましたと答えました。

Q3.当社に就職したら、どのようなスキルを伸ばしていきたいですか?
A3.接客を通してコミュニケーションスキルを伸ばしたいと答えました。

就職活動時に自分なりに準備したこと

ニートで引きこもりがちだったので人に出会う機会が少なく、身だしなみに気を遣うことがなくなっていました。ですので、面接では最初の印象が大切だと思ったので身だしなみを整えることから始めました。




「うつ病」で退社後にニートだったR.Tさん


ニートになったきっかけである「うつ病」が落ち着いてきた事と、弟が法科大学院に進学して父が定年退職するタイミングが重なり、家族内での経済的な問題を感じたため就職しました。

ブライダル系の職業に就職

ブライダルアドバイザーに就職しました。結婚が決まった2人に、婚約指輪・結婚指輪の試着、結婚式会場の紹介、二次会会場の紹介、ドレスショップの紹介をするといった業務内容です。

研修を通して働くスイッチが入った!

研修制度がしっかりしており、最初の数か月は結婚式に関する知識や会場知識を学ぶ期間で安心して勉強することができました。また、指輪の試着などでお客様と接する時間もあり「お客様の役に立ちたい」という意欲が湧いてきました。

実際に結婚式場を紹介するようになってからは、接客に加えてクライアントとのシステム上や電話でのやりとり、お客様との電話でのやりとりや事務作業など業務のレベルも上がっていきました。

残業も多く発生したので生活サイクルを作るのに苦労しましたが、その分だけやりがいはとても増え、自分の理想とする「ブライダルアドバイザー像」もできました。

人間関係に関する質問を多く受けた面接

面接時の質問と回答
Q1.理想の職場・人間関係とはどんなものですか?
A1.法で定められた事が守られている労働環境でお互いを尊重し合い指摘し合える人間関係。

Q2.働いたとしたら同僚にどんな人だと思われたいですか?
A2.働いたとしたら同僚には一生懸命で面白く話題に尽きない人だと思われたい。

Q3.あなたにとって仕事のできる人はどんな人ですか?
A3.私にとって仕事のできる人とは、お客様への気遣いだけでなく、同僚は勿論、上司にとっての自分の立ち位置まで気遣え、自分で自分の役割き気づいてそれを果たせる人です。

自分の掘り下げを重点的に行った

自分史を作ることから始めました。印象に残っている出来事・エピソードから自分の強み・特徴・誇れる部分を書き出して自信につなげることができました。

大それたエピソードは用意せず、身近なところで感じたことや、そう感じたことでどう自分のスタンスにつながっているのかを整理しましたね。




学生時代から治療を続けてニート状態だったA.Sさん


強力なステロイド剤を使用していたため肌が赤く腫れあがってしまい、高校を卒業したころには外出できずに2年間ニート生活をしていました。治療費を出してくれた母に、たくさんの恩返しをしようと思い就職を決めました。

事務員に就職

物流会社の事務の仕事に就職しました。取り扱う製品は外国車の部品で、その製品の出荷・入荷・返品作業に付随する事務や、実施現場で検品・ピッキング・梱包作業も行っています。

働くことに幸福感も感じた

事務の仕事のみだとずっとデスクワークで物足りないのですが、事務の仕事が落ち着いたら現場にいって軽作業を行って、落ち着いたらまた事務の仕事をしています。この繰り返しのおかげで、無駄な時間を使わずに毎日忙しく働けることに幸せを感じました。

面接内容

面接時の質問と回答
Q1.物流会社のため、色々な部署があったので、人と関わることに対して苦はないか、?
A1.学生の頃から、クラスでもムードメーカーでしゃべることには自信があり得意とする部分なので問題ありません。

Q2.積極的にコミュニケーションをとっていくことができるか?
A2.入社したら自分が部署を明るくしていくという気持ちで、積極的に話しかけていきます。

事務職に必要なスキルを磨くことからはじめた

事務の仕事ということもあり、やはりパソコン操作や入力ができないと仕事にならないので、入力作業が早くなるようにネット上でチャットを利用してその結果どんどん入力作業が早くなっていきました。

就職自体が初めてだったので、ネットを中心に「応募書類の書き方」や「面接のやり方」などの就職対策方法を調べました。




まとめ

ニートになるのは人それぞれです。今回、就職体験を語ってくれた方々は、精神的な病であったり身体的な病もあってニート状態になっていました。

「うつ病」などの精神病の場合は、治ったかどうかの判断は本人にしかできないため、再度就職するとなるとやはり本人のやる気が満ちてくるかが重要です。

障がいなどの問題を抱えている場合でも、現在は企業側でも障がい者の採用枠もあるため、以前よりも可能性は開けています。もしも働く気力が湧いてきたときは、行動を起こしてみましょう。