期間工で働くという選択肢も増えている

特定の期間の就労で、アルバイトよりも断然待遇良くお金を稼ぐことができる「期間工」

「ライン工」としての業務がメインの期間工は、自動車メーカーが好きな人にはとくに人気が高く、求人も安定的に出ているため応募者も採用数も一定数を確保されています。

期間工を選択する人は、以下のように実に様々です。

  • 純粋に期間工として働きたい
  • 自分の目標のためにお金を集中して稼ぎたい
  • 転職までのつなぎで特定の期間だけ働きたい

期間工には給与面や生活面にメリットが多いですが、同時にデメリットもあります。気になる正社員採用なども含めて、期間工の詳細を説明していきます。

【目次】「期間工」を詳しく知る10のポイント(表示



期間工とはどんな職業?どういった契約内容なのか?

期間工とは、トヨタやホンダなどの大手自動車メーカーで自動車や関連部品の組み立てを行う職業で、業務はほぼライン工と同じです。期間工は、期間の定めがある労働契約である有期労働契約を結んで従事し、自動車工場や電子製造工場などで勤務する労働者であり期間従業員期間社員とも呼ばれます。

派遣社員と違い、メーカーと直接雇用契約を結んで働くことが特徴です。

期間工の仕事は、景気が良い時や工場の生産が活発になる忙しい時期に募集されることが多く、仕事内容は、自動車の製造ラインでの流れ作業(ライン工)がほとんどであり、特別なスキルや資格が必要無く仕事をすることができます。

期間工は寮設備などが充実

勤務期間中には、工場周辺に宿泊する寮が無料もしくは格安で提供されることが多く、寮生活をしながら工場で仕事を行うことがほとんど。当然ですが、自宅から通える企業もあります。

保険に関しては、メーカーからの直接採用の場合はその会社の社会保険に加入します。また、派遣会社や求人サイトなどを通して就職している人は、工場を紹介してくれた会社の保険に加入することもあります。

期間工を募集する工場は大手企業も多く、保険制度は比較的充実しています。ただ、従事する企業はもちろん、契約期間によって社会保険に違いがあるケースもあるので事前に確認が必要です。




期間従業員で稼げる給与はアルバイトより断然上?!

期間工の給与をアルバイトなどと比較した時に主に違う点は、以下のような手当があることです。

  • 入社祝い金
  • 皆勤手当
  • 満了慰労金(「期間満了報酬金」とも言われる)

「入社祝い金」とは、入社した時に支給されるものです。「慰労金」とは、言わばボーナスのようなもので、ある規定の中での出勤率によって割合が変わります。

「報酬金」とは、3ヶ月・6ヶ月のように決められた期間働いた際に出勤状況に応じて支給されるお金です。出勤状況とは、欠勤,遅刻,早退があるのかどうかが、判断基準になっています。

慰労金や報奨金の減額条件はしっかり把握しよう

「慰労金」は遅刻や欠勤などがあった日数分を差し引かれますが、「報奨金」は遅刻や早退,欠勤のあったひと月分がそっくり引かれるので、注意して勤務する必要があります。

これらの手当や支給条件はメーカーによって異なるとしても、時給と残業代がメインのアルバイトよりも高収入であることがわかります。

また、部署によって異なりますが、工場勤務での仕事で残業があれば割増分も必ず給与に加算されるので稼ぐポイントになります。

収入と支出の面で考えたとき、例えば1人暮らしでのアルバイトでは、家賃や食費、水道光熱費、税金などを支払わなければなりません。期間工では寮という存在があり、ほとんどの場合に寮費が無料もしくは格安のほか、食堂も備えていることが多いです。

これにより、生活費や食費を抑えると同時に貯蓄に回す額を増やすことができます。




ライン工と期間工はどんな違いがあるのか?

「ライン工」とは、流れ作業による生産・組み立ての工程である「工場のライン作業」に携わる従業員のことを指し、正社員と非正規社員の両方の契約者がいます。

期間工も自動車工場や電子製造工場などで勤務する労働者なのですが、非正規社員のライン工と同じ立場とされています。

期間工の仕事内容は、生産ラインに携わるものだけではなく、例えばフォークリフトを使った工場内の物流を担当するなどの生産ライン以外の仕事があります。

しかし、ライン工の仕事内容はすべて生産ラインに関わることになるところが大きな違いです。

期間工は「期間に定めがある雇用」

また、ライン工と期間工の違いは、企業と契約するため期間がある点と、正社員登用制度があり正社員を目指すことができる点です。

ライン工は正社員としてずっと生産ラインの業務に就くことになります。それに対し、期間工は数ヶ月単位で雇用契約を締結します。また、最長でも2年11ヶ月で契約満了になります。

この2年11ヶ月という勤務期間には法律が絡んでおり、労働基準法14条に下記のように定められています。

「労働契約は、期間に定めのないものを除き、一定の事業の完了に必要な期間を定めるもののほかは、三年を超える期間について締結してはならない」厚生労働省HP

「正社員登用制度」とは、パートや契約社員といった非正規の雇用形態を正社員としての雇用に転換する制度をいいます。この制度による試験や面接に合格することによって、正社員として働くことができるのです。

期間工の勤務時間や業務内容は?

24時間操業している工場において、期間工の勤務体制は多くの場合2交代制です。2交代制とは、5連勤2休後、別シフトを5連勤2休するという流れを繰り返します。

2つのシフトは1つ8時間前後であり、2つの勤務シフトが1週間交代で変わるという形です。シフトの時間帯は企業ごとに変わりますが、2交代制の勤務形態は多くの企業が取っています。場合によっては3交代制のシフト勤務もあります。

残業時間に関しては、24時間稼働する工場でのライン作業のためメーカーや部署によって誤差があります。

生産ラインでの「ライン工」の業務が多い

期間工の業務作業は、バイクや車,汎用製品などの「部品製造」はもちろん、市場に完成品を送り出す過程における「生産ライン」がメインとなります。

主に、以下のようなライン工業務で構成され、流れ作業ですが緻密な部品を取り扱う細かい作業もあります。

  • 車体・プレス工程
  • 塗装・溶接工程
  • 完成車組立工程
  • 検査工程
  • エンジン組立や機械加工

期間工の仕事はライン工程を全て覚える必要があり、自分の持ち場の仕事を覚えるまでストレスも掛かります。また、自分のミスによって工程全体の遅れることもあり、場合によっては期間工達にも迷惑をかける可能性があります。

ただ、慣れてしまうと体が作業を覚えてスムーズに仕事をこなせるので、焦らずに取り組んでいくことが必要です。

「期間従業員」契約から正社員になることはできるのか?

期間工は雇用契約上は契約社員にあたりますが、期間工から正社員になる方法はあります。

以下のような場合は、パートや契約社員といった非正規の雇用形態を正社員雇用に転換する制度である正社員登用制度を利用することできます。

  • 労働者が2年11ヶ月以降も期間工として働きたい場合
  • 企業が契約上限以降も仕事をして欲しいといった労働者がいた場合

ただし、期間工から正社員登用されるにはいくつかの条件があります。

  • 期間工として契約の更新をしながら、ある程度の期間勤務すること(だいたい、1年以上)
  • 本人の希望があり、なおかつ職場を管理監督する人からの推薦があること
  • 正社員登用試験である筆記試験と面接試験の2つに合格する

推薦を出してもらうためには、普段の仕事で結果を出しながら、仕事に対する熱意および自分の能力を普段からアピールしていく必要があります。

多少要領が悪くても、周りの人に迷惑をかけずにコミュニケーションを取って、不器用な部分をカバーする人間性の部分を意識してアピールするべきです。

仕事ぶりは普段から見られています。正社員を目指す場合は、不利な状況にならないように周囲の目も意識しましょう。

正社員採用試験の内容や難易度は?

期間工が正社員を目指す場合、推薦の他に正社員登用試験である「筆記試験」と「面接試験」を受ける必要があります。

正社員採用試験の筆記試験は基礎レベル

「筆記試験」では、表の読み取り能力、推論、速さのように思考力や基本計算能力が問われます。出題される問題は、学生時代の勉強レベルであり難問というわけではありません。ただ、学業から離れている期間が長ければ長いほど難しく感じる問題が多くなります。

期間工として働きながら試験を受けなければならないため、数ヶ月前から対策本などを用いて勉強をしておく必要があります。

正社員採用試験の面接試験は一般教養もある

「面接試験」では、提出した履歴書をもとに面接担当者から質問を受ける形式です。内容は、一般教養的はもちろん複雑な質問もあります。一般教養はできて当たり前という前提なので、最低限、新聞は読んでおきましょう。

一般教養の評価を数値化しても「その人の評価には値しない」と判断している企業が多いのですが、油断は禁物です。

また、以下のようなことは必ず質問されます。

  • 正社員になりたい理由
  • 正社員として自分が相応しい理由

基本的には面接を受けるためには、職場を管理監督している人の推薦状が必要です。その推薦状には、日ごろ自分が仕事に向かう姿勢や、仕事に対する考え方なども記載されています。

面接を受けるときに、推薦状に記載されている内容とあまりに異なる回答の場合は不採用の可能性も高まるので注意が必要です。




期間工募集で有名なのはトヨタやスバルなどの自動車メーカー

期間工の募集をしているのは、以下のような様々な大手メーカーです。

  • トヨタ自動車
  • 日産自動車
  • 三菱自動車
  • 本田技研工業
  • スバル
  • アイシン・エイ・ダブリュ
  • マツダ
  • 日野自動車
  • いすゞ自動車
  • ダイハツ工業

自動車製造をメインとしたライン工業務主体の企業が多いですが、常時募集しているわけではなく、景気が良いときや工場の生産が活発になる忙しい時期に募集されることが多いです。

どの企業も以下のような項目に違いがあるので、就職希望の場合は求人サイトなどで比較する必要があります。

  • 募集職種や給与
  • 寮などの福利厚生
  • 正社員登用制度の有無

募集職種の例としては、以下のように表記が異なります。

  • トヨタ自動車ではトヨタ自動車の自動車製造に関する各種作業
  • 日産自動車では日産車の部品の製造・組み付け作業
  • デンソーでは組立・組付け

トヨタ自動車の求人で例に挙げると、愛知県にて期間工の募集をしており、豊田市の上郷工場と元町工場、田原市にある田原工場、碧南市にある衣浦工場など、全11工場で期間工の求人を出しています。

このように、期間工は生産拠点である工場で働くことになります。車体系の期間工では例えば、ドアやボンネット、エンジンのような大きなパーツを車体に装着するライン工業務があります。

精密機器メーカーや電気・電子機器メーカーも期間工を募集

自動車メーカー以外で募集している企業の1つで「トヨタ紡織」があります。「トヨタ紡織」は、トヨタグループの一社でシートの骨格や内装用の繊維製品などの自動車用内装品を生産品としています。

また、以下に紹介するような様々な企業がライン工を主体に期間工採用をしております。

イーグル工業

シールやバルブの製造販売

ヤマハ発動機

二輪車を主体にして、船外機やウォーターヴィークルそれにスノーモービルなどの輸送機器を製造販売

ハーモニック・ドライブ・システムズ

精密減速機の開発・製造・販売

デンソー

自動車の熱機器・エンジン・電気機器・電子機器関連を開発

自動車だけに限らず部品や二輪車、輸送機やゴムなどに関わる企業の募集も多くあります。これらの企業も工場を生産拠点としたライン工をメインとして、自動車メーカーと似たような勤務シフトや採用条件であることが多いです。

重いパーツを扱うことがある車体系の期間工と違い、部品系の期間工では車に組み込むパーツ作成など細かい仕事があり、女性が比較的やりやすく女性が多い部署もあります。

また、細かく素早い作業を求められることもあり、ライン作業であっても難しいと感じるところもあります。




大手企業の期間工契約には求人サイトを活用が鉄則

期間工に就職するには、以下のような期間工求人を取り扱うサイトの活用が近道です。

  • 期間工.jp
  • e仕事

期間工.jp

自動車メーカーはもちろん、関連した下請けなどの産業メーカー期間工の求人に特化した募集サイトであり、大手の優良企業を網羅しています。

自動車メーカーだけではなく、燃料系統や軸受に特化したメーカーなどの求人のほか、女性の期間工でも働きやすい電子部品や精密機械メーカーも多く掲載されています。

サイトの検索画面は見やすく整理されており、シフトや仕事内容、基本賃金や福利厚生などの情報が細かく記載されています。そのため、情報の把握や他社との比較がしやすいです。

また、専門のスタッフによる相談ができるなどサポート体制が万全です。

e仕事

工場製造業求人サイトです。期間工の求人だけではなく、製造業や介護サービス従事者の募集などの求人もあります。

運営会社である日研トータルソーシングは全国に144の拠点があり、働く場所を決めていくことで希望する企業が探しやすいという特徴があります。

また、女性向けの求人も豊富です。自動車部品メーカーはもちろん、精密機械系などの求人が多く、女性でも期間工で働くチャンスを掴みやすいのです。

期間工で働く上でのデメリットは契約社員と同じ?

期間工では、同じ企業での35ヶ月以上の連続勤務が出来ません。35ヶ月を経過すると正社員扱いでの就労が必要だからです。このため、同じ企業に35ヶ月を超えて就業できないというデメリットがあります。

しかし、6ヶ月間の期間を置けば同じ企業に再度雇用してもらうことも可能ですし、他の企業へ間を置かずに雇用してもらうこともできます。ただ、同じ企業にしても違う企業にしても、賃金は一番低いところからやり直しになってしまいます。

期間工でも配属先によって働き方が違う

様々な配属先がある期間工では、希望の配属先に必ずなれるわけではなく、配属先によって夜勤が異なる場合があります。

このため、配属先によって収入が異なるというデメリットがあります。また、24時間フル操業の工場勤務では、日勤と夜勤が週替わりで繰り返すシフトの影響で生活のリズムをつかみにくいです。

さらに、仕事内容に関しては、ライン工などの単調的な作業や肉体的に厳しい作業が多くなります。指を使う仕事が多いと、指がつりそうになったり腱鞘炎のような症状を感じることもあります。

体勢を変えずに仕事を行うようなケースも多く、腰や背中が痛くなることもあります。油汚れや金属の削りカスが服について取れないなど、ちょっとイライラするようなことも多いのです。

生活リズムや肉体的仕事を把握したうえで身体のケアをこまめに行いましょう。