37歳で引き抜き先の企業から出戻りの転職
今回の転職体験談の主人公は37歳の男性。前職は、ボーリング調査会社の地質調査監督業務でした。
出戻ることになったボーリング調査会社の関係会社で、社員が退職して人材不足に陥った時、ときおり手伝っていた自分に声がかかって引き抜きにあった会社でした。
37歳で自主退社後に転職活動を行いましたが、失敗が続いたため、前々職で勤務していたボーリング調査会社への出戻り就職を果たしました。
【転職後(出戻り就職)】ボーリング調査会社 ボーリング助手
所属会社の経営難により自主退社を決意
転職先の希望条件を下げても見つからない求人
30代後半の不足の事態に備えることも重要
ハローワーク経由で応募した企業にことごとく不採用
結果的には「出戻り」転職!環境はどう変わったか?
「出戻り」はネガティブばかりではない!
37歳転職をしたのは所属企業の倒産がきっかけ
30代後半での転職の理由は、所属会社の経営難が原因です。
事業の拡大を見込んで社長が新社屋を建てたのですが、その後、景気が悪化。役所からの発注が激減したことを受けて、大手取引先からの仕事の減少や単価の下落が響いて、我々社員への給与さえ滞るようになりました。
少しでも会社が存続できるようにと身を引いましたが、退職して数日後に倒産の知らせが届きました。
ボーリング会社の地質調査監督業の業務内容
ボーリング現場の管理監督を主軸に、掘削調査であがってきた土質情報を基に柱状図データにとりまとめ、依頼主(主に役所)に報告書を提出。
他にも、ボーリング孔内を利用した現場裁可試験の実施、地盤の歪を定期的に計測。
転職後の出戻り企業での業務内容
主に30メートル未満の地下地盤を調査する会社(出戻り企業)。トラックに積載したマシンを依頼地に設置。オペレータの指示に従って土質コアを採取。孔内現場試験。PCのシステム管理など多岐にわたります。
転職先への希望は多くは望まなかった
30代後半での転職ということもあり、あまり転職先に多くを望みはしませんでした。それでも、転職活動にはかなり苦労しました。
- 月給が20万円以上であること
- 最低限食べていけるように欲しかった金額が20万円でした。
- 37歳でも採用してくれること
- 30代後半でしかも倒産での退職ということもあり、年齢制限などの求人は問題外でした。
- 肉体的な負担が小さいこと
- 腰痛持ちだったこともあり、腰への負担が大きい仕事は避けたかったです。
今回の転職活動は1月以上決まらずに不安だったこともあり、なりふりかまっていられなくなっていました。結果的には、恥を忍んで以前の会社の社長に頭をさげて出戻りをしました。
求人検索はハローワークやdodaを利用
転職活動は退職後に行っており、以下のような求職者支援サービスを利用しました。
ただ、37歳で未経験転職となると門前払いの求人も多く、精神的に耐えられなくなったこともあって、縁故を頼って出戻りをしました。
辞めた後も前の会社との縁は仕事上も続いており、悪い辞め方をしたわけではなかったので事情を話して採用してもらいました。
自分の市場価値を高めることもしておくべきだった
転職を頭におくのもどうかと思いますが、同じ職種でのスキルと縁故を高めておけば、もっと高位の会社への再就職も可能だったかもしれません。
もっとも後悔したのはこの点に尽きます。
【ポイント】「就社」が難しい今だからこそ自分のスキル向上や転職力の向上は必要
現在は働き方も変化してきており、同じ会社で働き続ける「就社」は難しい状況となっています。
企業自体が長く存続することが難しくなっていることはもちろん、働く意識自体が多様化しています。ある意味、働く上でも様々な可能性を追求しやすい環境にもなっているのです。
したがって、働く人それぞれもキャリア形成をしっかりと考えて「職業生活設計」に取り組む必要があります。
定期的に自分のキャリアの棚卸しや目標設定をすることが重要
現在は、キャリア形成支援についても導入が進められており「セルフキャリアドック」といった仕組みを導入する企業も増加しています。
そういった制度がある場合は、キャリアを見直す場が定期的、もしくは希望すれば行える状況にありますので、一度立ち止まって自分のキャリアに向き合ってみましょう。
ただ、中小企業では導入が進んでいないのも事実。そういった場合は、「ジョブカード」などを活用して、自らキャリアを棚卸する機会を設けてみましょう。
働く期間は今後もさらに長くなることが考えられます。定期的な修正や目標の再設定を行わないと、気づけば取り返しのつきにくい年齢になってしまうこともあり得るのです。
ハローワークの求人で門前払いもあって転職には苦戦
退職してすぐにハローワークに登録して求人の相談を行いましたが、受付で「年齢的に未経験はだめ」と断られることが多かったです。30代後半になると、業務形態の移行は難しいと感じました。
経験がかなり限定的であったため求人自体が少なかった
ボーリング会社の調査員ということもあって、同じ業種の募集はほとんどありませんでした。知っている会社はありましたが、その会社の仕事はハードとわかっていて、体力的に不可能とあきらめていました。
取得した資格で可能な他業種に転換しようとしましたが、経験がなければだめだと断られ、極限状態になると日頃の付き合いが物を言うと悟りました。
【書類通過数】0社
【一次面接通過数】0社
【内定社数】1社
面接ではつらい言葉も浴びせられて地獄だった
ある企業の採用担当者に言われた一言はきつかったです。
その場にいる若い社員を示しながら、「家族かかえてるあなたが、こいつらと同じ給料でやっていけないでしょ。かといって新人のあなたに高い給料は払えません。ほかを当たって」
最終的には出戻りだったので、再就職先の面接の担当者は知り合いでした。
- この給料だけどいいか?
- それだけもらえれば十分です!
- 事務仕事から現場にもどることになるが、大丈夫か?
- 一度は経験している仕事ですし、同じような業務を前職でも経験したので大丈夫です。
- 出戻りは風当たりがきついぞ?
- 私が退職した時と顔ぶれは同じなので大丈夫です。
出戻りだったが以前より仕事のレベルも上がり成長を実感できる
以前勤めていた時と環境は若干変わっており、意外と休みが多くて趣味の時間が持てました。また、事務所ではPCの導入や書類作成などシステム管理をまかせてもらい、さまざまなスキルを磨くことができています。
ただ、経験していたことなのですぐ順応できると思っていましたが、仕事量が複雑になっており、慣れるまでに月日がかかりました。また、年収が40万円ほど下がっています。
人生何が起こるか分からない!やはり人との縁は重要!
前職を退職してから転職先が全く決まらない時には絶望しかありませんでした。最終的には縁故を頼りましたが、社長の人柄がよかったことと、細くても縁をつないでいたことは良かったです。
また、「出戻り」に関してはかなりネガティブな意見が多いですが、自分の恥など気にせずに飛び込んでいったことも再就職できた理由だと思います。