30代フリーター就職

30代のフリーターが就職して悲惨な末路を防ぐためには?

フリーターの定義は「15-34歳でアルバイトやパートなどで仕事をしている人」(『総務省統計局』参照)を指します。ニートとの違いは「何らかの仕事をしている」という点です。

30代のフリーターで、正社員や派遣職などの就労経験がない場合は、就職のハードルが必然的に高くなります。ここでは30代でフリーター状態の人が、正社員就職をするための方法について紹介します。




30代フリーターが就職するには「フリーターでいた理由」が大事


30代でフリーター状態の場合、ほとんどの企業にとってプラスの印象はありません。人材不足と言われていても、採用する側も慎重になることは認識しておきましょう。

したがって、正社員への就職を目指すときには、採用側が納得する「30代でフリーター」である理由の説明が必要となります。

フリーター状態にある理由については、大きく以下の3つの理由に分けられます。

【1】プラスの理由

  • 資格を取得するために勉強していた
  • やりたい仕事があったので、そのための経験を積んでいた
  • 親の介護など定職に就けない状態だった

プラスの理由でも、フリーター期間がその理由の割に極端に長い場合は、「マイナス理由」になりかねないので注意が必要です。

【2】マイナスの理由

  • 働く意欲が湧かなかった
  • 社会的責任を持つのが嫌だった
  • 正社員じゃないと意味がないと思った

当然ですが、30代でフリーターだったマイナスの理由を、就職試験で本音として伝えるのはNGです。

「自分の全てを受け入れて欲しい」「理解してくれない会社で働きたくない」といった気持ちは横に置いておきましょう。

30代でフリーター状態だった自分が「これからどうなりたいのか?」といった、将来的な展望を明確にする必要があります。

【3】病気系の理由

  • うつ病などの精神的な病気
  • 指定難病などの病気

病気系の理由の場合に最も注視されるのは、「今後は働けるのか?」ということです。就職を考える前に、以下のことを明確にしましょう。

  1. 自分の健康状態の把握
  2. どういう仕事であれば従事できるか?

まず優先すべきは、「健康状態の把握」です。病院での診断書も重要ですので、かかりつけの医者に相談しましょう。




30代フリーターからの就職活動はまず公共機関の利用を検討する

30代でフリーターから就職を目指す場合は、いきなり仕事を検索するのではなく公共機関の就職支援の活用をおすすめします。

30代の場合は、ハローワークに加えて「わかもの(ヤング)ハローワーク」からの支援を受けることもできます。

特に活用してもらいたいのは「ジョブカード」の作成です。ジョブカードは自分の経験や、やりたいこと(興味・関心)をまとめることができ、履歴書作成なども同時に行うことができます。



ジョブカードは、作成に際してキャリアコンサルタントに相談ができます。ハローワークで無料カウンセリングを受けられるのです。


詳細については、厚生労働省から紹介されている下記ホームページを確認してください。

ジョブカードの詳細: https://jobcard.mhlw.go.jp/advertisement/

無料で受けられる職業興味や適性検査もある

また、「VPI職業興味検査」「GATB厚生労働省編一般職業適性検査」といった選択式検査で、参考レベルではありますが職業への興味度や適性を調べることもできます。

仕事を探したくても、自分が知っている仕事は偏った情報しかないことがほとんど。一度キャリアカウンセリングを受けて、仕事についての情報を深めることも重要です。

小手先の就職成功テクニックの前にやるべきことがある

「フリーターでも就職できる履歴書・職務経歴書の作り方」といったノウハウも溢れていますが、いきなりテクニックに手を出すのは控えましょう。

あなたが30代でフリーターでいたのには理由があるはずです。そこには、あなたのキャリアに対する「価値観」があります。ここで一回その価値観と向き合わないと、就職後にギャップと直面した際にフリーターに戻りかねません。

  • なぜ今まで就職しなかったんだろう?
  • 就職して何をしたいんだろう?
  • 自分が決断してきたことにはどんな背景があるのだろう?

あなたが「就職したい!」と思ったのは、理由やきっかけがあるはずです。この根っこの部分に向きあう時期が来たと受け止めて、考える時間を設けましょう。




30代前半のフリーターが正社員を目指す場合

30代前半のフリーターの場合は、30代後半に比べて直接的に正社員に就職できる可能性は高いでしょう。その可能性を不意にしないように、就職への道を積極的に探りましょう。

【1】フリーター特化の就職支援サービスを利用する

現在は、フリーターの人を対象とした民間の「就職支援サービス」が複数あります。それは、30代のフリーターでも正社員就職可能な求人情報を有している「人材紹介会社」です。

民間の就職サービスを利用することが、フリーターの就職には最も近道です。ただし、登録したサービスがあなたをぞんざいに扱うならば即刻利用をやめましょう。

  • あなたの経歴を蔑む
  • 偏った業種の案件を勧めてくる
  • 明らかにブラックな内容の仕事を進めてくる
  • 「あなたにはここしかない」と言ってくる

こういった対応をしてくる会社は危険度が高いため、注意が必要です。対策として、いくつかのサービスを利用して、自分にフォーカスしてくれる担当者のみに注力しましょう。

20代の就職支援を優先されることもある

フリーター向けの就職支援サービスが増えているとはいえ、ほとんどは20代を優先する傾向にあります。その理由は単純で、30代よりも企業に内定しやすいからです。

「転職エージェントの仕組み」の記事で紹介していますが、就職・転職支援サービスは、求職者が内定後に入社して初めて報酬をもらえます。したがって、少しでも合格の可能性が高い求職者を優先する傾向にあります。

そんな中、30代でも支援を積極的に行なってくれるのが「JAIC」です。

↓30代も就職支援!入社後の定着率91.3%↓

フリーター就職・既卒就職なら【JAIC】

担当のエージェントとの面談情報が求人企業に連絡されるので、書類選考なしで面接を受けることもできます。就職先への入社後定着率は91.5%です。(2019/2/1~2020/1/31に入社した方の3ヵ月定着率)

ハローワークリクナビNEXTなどの利用はもちろん、こういったフリーター特化の就職支援サービスを併用することで、就職の成功率を上げることができます。

【2】派遣職で経験を積んで正社員を目指す

これも定番ではありますが、就職に向けて高い効果が見込めます。フリーター経験が長い人は、職務経験が散らばってしまって専門的な経験を積んでいない人が多い傾向にあります。

研修制度が充実した派遣サービスで特定の経験を積み、そのスキルに関係した企業への就職を目指すのも王道手法です。

有期契約でも5年で無期雇用に転換可能

2013年の労働契約法改正によって「2013年4月1日以後」の有期労働契約は、「有期労働契約が通算で5年」になると、労働者が申し込むことで「無期労働契約」へ転換されることになりました。

あくまで、有期雇用が無期雇用になるだけであり、正社員採用になるわけではありません。ただ、契約満了直後にフリーター状態に戻ることは無くなります。

時間的な余裕を見過ぎないこと!

30代前半のフリーターが、派遣職を経由して就職活動をする時は、タイムリミットを意識してください。また、重要なのは「継続できるか?」ということです。

派遣先で継続できないスキルを積んでも、結局はまた他の仕事を探すことになりかねません。年齢を重ねるほど就職の選択肢が狭まることを忘れずに!




30代後半のフリーターが正社員を目指す場合

30代後半になると厳密にはフリーターの定義から外れますが、就職の難度は30代前半に比べて高くなります。

30代前半と同じように、JAICなどの就職支援サービスを活用する方法もありますが、求人に満足がいかない可能性もあります。

こればかりは、実際に登録して30代後半で就職可能な求人の現状を確認してみなければ判断はできません。

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仕事を選ばなければ就職先は見つかるかもしれませんが、自分が働きたい環境を見つけたいのならば、オススメするのは以下の2つの方法です。

【1】バイトやパートとして働いて正社員を目指す

バイト先で正社員登用がある企業に限られますが、バイトならば短期間の経験で自分がそこで働けそうかの判断もつきます。

業務や環境が合わないのならば、次のバイトを探すという手もあります。何気なくバイト先を探すのではなく「自分が働きたい」という目線で探しましょう。

【2】派遣先での正社員を目指す

派遣の場合には「登録型派遣」と「常用型派遣」があります。正社員を目指すならば「登録型派遣」で、正社員登用の可能性がある企業への派遣を相談しましょう。

経験を積むという時間的な余裕がない可能性もあります。最初から「正社員採用を前提」とした動きをしなければ、40代に突入するリスクがあることも忘れずに!

前述のように、5年の有期雇用契約の後は無期雇用に転換することも可能です。可能性の一つとして考えておきましょう。

とにかく「就労経験」を積むこと!

30代フリーター状態で正社員として働いた経験が無いならば、就職した後に「この会社は自分に合わない」という気持ちが湧くかもしれません。

ただ、転職という手もあります。しかし、その転職にも「就労経験」は思いの他重要です。まず確実に「正社員になる」ことを考えて動くことをオススメします。




30代フリーターの究極の手段は「起業」を挟むこと

世間一般的には、「フリーター」と聞くと「定職についてない人」という印象になります。ただ、それが「自営業」となると「自分で事業を起こしている」という評価に変わります。

フリーターの方々は、基本的に「バイト・パートなどをしている」状態です。それと違って「自営業(個人事業主)」は、税務署に『開業届』を出して仕事をしている状態です。

「開業」と聞くと難しく感じるでしょうが、最近では「クラウドソーシング」の普及によって、個人でも在宅で仕事ができる環境が整っています。つまり、開業自体のハードルは低いのです。

職歴を作る意味では、開業をした上で「クラウドソーシング」の仕事を行うという手もあります。個人事業主は「ダブルワーク」もできますので、足りない収入は他のバイトで賄うことも可能です。

開業することによって責任感がつきますし、以下のような経営経験を積めます。

  • 仕事を自分で探す・つくる
  • 仕事に必要な経費を支払う
  • 仕事の納期を守る
  • 税務処理を行う

このように、仕事のすべての流れを経験できるのです。これは、一般のサラリーマンではなかなか体験できない貴重な経験です。そのまま個人事業主として頑張るもよし、経験を踏まえて「派遣」「正社員」などの就職を狙う方法もあります。




30代のフリーターの末路はどうなるか?

30代のうちにフリーターを脱していない場合は、そのままフリーターとして40代に突入することを意味します。それが悲惨かどうかは人それぞれの状況と受け止め方によります。

ただ、40代になると就職の難度がグッと高まります。採用する側の雇用意欲が下がるのはもちろん、何よりも本人の就労意欲がますます無くなるという問題があるのです。

生活習慣はなかなか変えることができません。30代までに高まらなかった就労意欲を、40代になって「これから本気出すか!」と上げることは難しいでしょう。

年齢が高まるほど就労先は限られてしまう

また、40代で初めて会社に入社した場合、30代以下の若手があなたの指導員や上司となります。そういった環境に耐えらない人もいるのではないでしょうか?

年齢を重ねることは、就労においては残念ながら不利です。決意を固めて30代のうちにフリーターを脱するという気持ちを持ってください。

「同一労働同一賃金」は適用されるが油断しないこと

「働く方改革」の施行により、中小企業にも2021年から「同一労働同一賃金」が適用されます。

ただ、2020年の新型コロナウイルスの影響もあり、企業によっては体力をかなり削られています。
罰則規定があるとはいえ、全ての企業が対応できるとは限らず、コロナ禍の影響によって法改正が行われる可能性もあります。

30代フリーターで就職を考えている人も、「派遣やパートでも給料一緒になるでしょ!」などと安易な気持ちは持たないようにしましょう。

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まとめ:30代のフリーターが正社員就職するには?

30代でフリーターというと世間の目は厳しく感じるかもしれません。ただ、そこに理由があるならば、その理由と今のうちにしっかり向き合いましょう。

何か夢がある → その夢の期限はいつなのか?
病気で働けない → 支援などの手は借りれないか?
正社員で社畜は嫌だ → その状態でこの先も生き残れるのか?

30代のうちに、以下のことを明確にしましょう。

  • このままの自分でいいのか?
  • それとも変えなければいけないのか?

とにかく覚悟を決めて就職に向けて何らかの動きを始めれば、自ずと欲しい求人情報と出会える機会も増えていきます。

30代のフリーターだからと悲観する必要はありません。無料支援も活用しながら、就職に関する行動を少しづつ始めてみましょう!