アメリカ企業への転職人気は高まっている
企業のグローバル化に伴い、日本企業の海外進出も増加してきました。また、上場企業などでは英語の必要性が高まり、TOEICや語学系の資格も採用試験の判断指標となっています。
また、海外の各種サービスも身近になり、「Amazon」などのネット通販はもちろん、SNS大手の「Facebook」など、サービス自体のグローバル化も進んでいます。そのような流れに伴い、就職や転職で海外企業に目を向ける人も増加しています。
また、国際結婚の機会も増えており、結婚に伴って海外での就職や転職を行うケースもあります。
今回は、海外の中でも特に企業の激戦区であり、かつ世界的に有名な企業が集う「アメリカ合衆国」への就職や転職に向けた情報を紹介します。海外への就職や転職に必要なものに関する情報に加えて、アメリカの人気企業情報について紹介します。
海外に就職・転職する際にまず注意するべきこと
アメリカ企業への転職に必要な能力5選
日本人の就職者数が多い人気企業5選
世界的に人気な企業4選
日本から海外に転職するのに有利なサービス
海外に転職する際の注意点
海外サービス事業の本場とも言われる「アメリカ合衆国(USA)」ですが、日本人がアメリカで就職や転職をする際の注意点を覚えておきましょう。
アメリカで働くのに必須の「就労ビザ」
いくら働きたい気持ちがあっても、ビザが取得できなければアメリカで就職することはできません。働く方法としては、現地法人からの要請で働く駐在員としての場合、もしくは現地採用という形で働くことができます。ただ、どちらにしてもビザ取得は必須となっています。
アメリカの就労ビザを取得するには、就職先となる企業からビザを出してもらう必要があります。ビザ発行までには時間も手間もかかり、企業によっては、「そこまで苦労して採用するほどの人材だろうか?」と考えることもあるでしょう。
さらにテロ以来、アメリカでは就労ビザの発給数も減っているといわれ、アメリカで就職するにはまず「ビザ」が最初の難関になります。そんな環境で転職するには現地企業に自分のスキルや語学を積極的にアピールし、どうしても必要な人材と思わせることが大切。
アメリカでは「自分を売り込む」姿勢がないと面接でも評価されません。そこで、よく取られる方法が、まずアメリカ企業の日本支社に就職をして、その後に現地に転勤するケース。いきなり現地企業への就職や転職を試みるよりも、海外企業への転職が実現しやすいメリットがあります。
日本で重視される「履歴書」は必要?
アメリカでは日本の就職の際に使う、ごく一般的な「履歴書」がありません。したがって、特にアピールしたいのが「職務経歴」になります。
所属した企業でどのような仕事を担当していたのか。実績や身に着けたスキルなど、経歴書はわかりやすく書くことがポイント。
文章のマネジメント力もアピールするチャンスです。必ず自己PRも加えて積極的に売り込まないと、人事の目に止まることはありません。経歴書は数分しか見られませんので、短時間で目を引く文章が必要なのです。
就職・転職後の現地生活は大変
採用試験を乗り越えて仕事が決まった後にも、現地で生活する色々な不安もあります。医療費や治安の問題、車の免許取得などアメリカで就職するには日本で仕事を探す以上のストレスがあり、実際に働きだすまでには時間もお金もかかります。
最近ではインターンシップや海外転職サービスもとても充実していますので、ゼロから始めるよりも、このようなルートを活用するのも方法の一つ。
アメリカで働いても、「給料が低い」、「現地の人とうまく馴染めない」などデメリットも色々あることは事前に心得ておきましょう。まずは日本との違いをよく理解して、アメリカという外国に就職する目的が何なのか?をはっきりさせておきましょう。
海外での就職で必須の能力5選
海外での就職や転職には、日本とは違った必須となる能力があります。最低でも以下の5つは把握をし、自分がアピールするポイントを明確にしましょう。
【No.1】語学力(linguistic ability)
海外で就職するのにまず欠かせないのが語学力。留学した経験を活かして仕事をする人も増えています。
海外で働けば語学力もさらにスキルアップできますが、まったくコミュニケーションがとれない状態では就職は不可能です。専門職や技術職の場合は、語学力よりも技術や経験が生かされる場合もありますし、日本語を必要とする仕事や顧客が日本人相手の場合など状況は様々です。
どの程度の語学力が必要かは就職先によって異なりますが、現地で生活する以上は最低限の会話力があったほうが安心です。また世界的にグローバル化しているため、たとえ英語圏のアメリカで働くにせよ、中国語やスペイン語なども大変強い武器になります。
【No.2】社会経験(social experience)
社会経験がある人のほうが海外ではとても重要な人材として扱われます。
外国では大学在学中から企業研修のプログラムなどを充実させている国も多く、学校を卒業した後にもすぐに即戦力となる人材がとても多いことが特徴です。海外では、日本のように企業が研修を行い必要なトレーニングをしてくれるような整った環境がないケースが多くなっています。
したがって、少しでも多くの社会経験を積んでいる人のほうが即戦力として評価されますが、転職を繰り返してしまうようではイメージが悪くなってしまいますので、海外で就職する前には一定期間の勤務をしたほうが良いでしょう。
ビジネスマナーや経験は会社で教えるものではなく、すでに身に着けている人のほうが仕事が見つかりやすいといのは、日本でも海外(アメリカ)でも同じなのです。
【No.3】海外留学経験(study abroad experience)
違う国で働くためには、仕事のスキルだけでなく現地の文化や生活に適応できるかどうかの能力も問われます。海外生活や留学した経験がある人は、その点を積極的にアピールしましょう。
短期間の旅行でも、海外に行ったことがあるかどうかで企業側の評価は大きく異ります。全く海外経験がない場合は、現地の生活に馴染むまでにも色々なストレスや負担になります。
就職先の企業が、プライベートまで面倒を見てくれるとは限りません。海外への留学経験は「現地への適応力」を示す意味でも、十分な売り込み材料になるのです。
【No.4】資格(certificate)
「資格」は海外への就職や転職であっても大切な評価対象の一つです。ただ、日本で取得した資格が海外でも通用するかどうかはわかりません。
そこで大切なのが即戦力となる「スキル」。たとえ資格が無いとしても、経験した職務の実績や経歴が多いほうが有利です。これならできるという技術を積極的にアピールしましょう。
企業よっては、経歴の内容しだいで募集以外の仕事をオファーしてくれる可能性もあります。また専門職である美容師や保育士などの職種では、経歴が長い人のほうが、たとえ国が違っても即戦力につながると判断されます。
自信を持ってアピールできる「スキル」を一つでも持っているほうが、海外での就職では有利になるのです。将来的に海外でやりたい職種が決まっている場合は、まず日本で経験を積みましょう。
また、最近では海外でも直接的に通用するような資格が増えてきています。
下記に一例を記載します。
事務系
米国上級秘書資格(CAP)
貿易国際資格(CITLS)
経理・会計
国際会計検定(BATIC)
IFRS検定
金融系
CFP(ファイナンシャルプランナーの国際資格)
米国公認会計士(USCPA)
IT系
IT系はそのほとんどが海外でも何らかの利用ができます。
ここではその一部のみ記載します。
プロジェクトマネージャ(米国では「PMP」が一般的)
ITストラテジスト
オラクルマスター
CCNA
【No.5】最終学歴(educational background)
学歴社会の日本では、大学を卒業しているかどうかが大きな判断ポイントになっています。この事は、これから先も変わらないでしょう。海外でも一部の企業では同じことが言えます。職種によっては専門的な知識が必要になる場合もあるので、高学歴のほうが有利になるケースがります。
しかし、国によっては大卒かどうかよりも経験者が優遇される職種も多いため、必ずしも必要な条件ではありません。
アメリカの場合は一般的に取得する就労ビザの「H-1B」は、4年生大学卒が有利な条件となります。長く働ける人を採用したい企業側にとっても、ビザとの関係などを考慮した上で、学歴が高い人が有利になるケースは多いのです。
たとえ大学卒業ではないにしても、「自分を売り込む」ことが、海外への就職・転職には重要ですので、たとえ専門学校や高校卒業であっても、身に着けた知識やスキルはアピールしましょう。
日本人の就職者数が多い企業
ここでは、米国の中でも日本人の就職者数が多い企業を紹介していきます。
【1】アップル(Apple Inc.)
1977年にカリフォルニアで設立されて以来、今では世界中にある人気企業。米国内にはアップルストアも各地にありますので、販売としての仕事も充実しています。日本国内でも人気の就職先となので、海外支社に転勤したり、国内での勤務などグローバルな働き方をできる魅力があります。
アップルはIT関係の知識や技術を持った人、もしくはセールス系の経験がある人に人気。大企業としての安定感がありますので、長く勤務したくなる企業ですね。
【2】マイクロソフト(Microsoft Corporation)
マイクロソフトは1975年に創業され、現在では世界各国合わせて100国以上にオフィスがあります。企業の売り上げの1/3を誇るのがマイクロソフトビジネス部門となっています。
事業内容はオペレーティングシステムをはじめ、オンラインサービス、「XBOX」などのエンターテイメント、サーバーの管理など、私たちの生活にも大変密着している企業の一つです。
【3】グーグル(Google Inc.)
グーグルに就職するにはアメリカ人ですら難関。大学生のうちからインターンシップで企業研修を受け、即戦力になることが必要不可欠。日本人がアメリカのグーグルに就職するためには、日本のグーグルで勤務するのがもっとも近道でしょう。綺麗で開放的なオフィスでの仕事は、アメリカ人にとっても憧れの職場です。
競争率がかなり高い為、スキルや語学力、社会経験などをアピールしなければいけません。もしくは日本から派遣された駐在員として現地で働く方法もあります。
【4】アマゾン(Amazon.com Inc.)
現地では、ホリデーシーズンのクリスマス時期近くになると、短期間のアルバイトを募集しており、副業として働く人も少なくありません。
様々な働き方がありますが、日本人から人気のあるアメリカ企業は、もちろん現地でも競争率が高いことが特徴。外国人として仕事をゲットするには、何かしらのメリットを企業先にアピールしないといけません。
【5】トヨタ(TOYOTA)
トヨタは日本で就職をしてアメリカ支社に移動する人や現地採用される方も多く、日本人にはとても馴染みの深い企業のため、安心できる点もメリットですね。他にも自動車メーカーでは日産やホンダなどもありますが、日本人が就職する数としてはトヨタがダントツで多いようです。
現地のファクトリーは何箇所かが閉鎖されたり、リコール問題などで問題も発生していますが、福利厚生が安定していること、日本企業であること、そして全米に勤務地がある点などが人気の理由となっています。
世界的にも人気な企業
必ずしも日本人が多いわけではないですが、世界中のエリートたちが入社を目指す世界的に人気のアメリカ企業を紹介します。
【1】ファイザー製薬(Pfizer Inc.)
世界中で合わせると約8万人近い従業員が在籍しており、ファイザー製薬は、製薬事業では世界第2位の大企業です。理系の学生をはじめ、専門的な知識を生かすには大変おすすめの企業。給料面や福利厚生なども充実していますので、長く勤務するにはこのような大手企業が安心です。
【2】フェイスブック(Facebook)
フェイスブックの本部はカリフォルニア州メロンパーク。2012年からはナスダックで株式売却をはじめ、2013年にはフォーチュン誌のトップ500にも選ばれる急成長の企業です。設立者のマーク・ザッカーバーグがハーバード大学時代に始めたサービス。検索数はグーグルを超えるなど、SNSとしてだけでなく生活にも欠かせないツールになっています。
【3】ゴールドマンサックス(Goldman Sachs)
世界中にオフィスを構え、アメリカ国内はニューヨーク、シカゴ、また海外ではロンドン、東京、香港、フランクフルトなどに拠点を置いています。ゴールドマンサックスは高収入が期待できる勤務先で、従業員のボーナスが6千万円を超えることもあります。
【4】IBM(International Business Machines Corporation)
ITやバックオフィス業務のアウトソーシング業務もメインの一つとなっています。IBMの歴史は大変古く、電気計算機が開発される前の1911年に「CTR」という名前で設立されました。
1990年代には業績の悪化が問題になりましたが、現在ではソフトウェアをメインとした、ビジネスソリューションを中心に企業を運営しています。こちらも日本に支社があり、そこを足掛かりにしてアメリカに転勤を目指す人が多い企業です。
海外への転職は「転職エージェント」ありきで進める
海外への転職を考えている場合は、国内や海外在住に限らず転職エージェントを活用するのがベストです。
基本的には、海外の企業への転職活動であっても採用試験の流れが同じで、「書類選考→面接→内定」です。
ただ、そこは海外ということで、「履歴書」「職務経歴書」はもちろん、企業から要求される「経歴書」も英語が必須となります。日本と同じような記載方法では書類選考すら通らないケースがありますので、転職エージェントの「添削サービス」は非常に役に立ちます。
また、日本国内でのサービスと同じように非公開求人があり、あなたが望む企業の求人を持っている可能性があります。
海外企業の採用面接はスカイプで行われることもあり、悠長に構えているとそのスピード感についていけず、準備不足のままその日を迎えることになります。
しっかりとした事前準備を行い、千載一遇とも言える求人に合格するためにも、最初から徹底的にプロを活用するようにしましょう。