
退職交渉をうまく乗り切るために気をつける事とは?
転職活動において、最後にして最もプレッシャーの掛かるハードルが退職交渉です。
退職交渉が億劫で転職を躊躇する人もいるほどですが、退職交渉で足止めされていては、せっかく転職先や自分がやりたいことが決まったのに全て無駄になってしまいます。
退職交渉の進め方しだいでは、自分はもちろんそれまで所属した会社も後味の悪いものとなりかねません。ここでは、転職エージェント直伝の「退職交渉をうまく進める7つのポイント」を紹介します。
退職交渉を進めるにあたって重要なのは「決意」
30代の退職交渉の具体的な進め方「7つのポイント」
退職交渉に臨む前のマインドセット
それでも退職交渉が難航してしまったら?
まとめ:退職交渉のポイント
退職交渉を進める時は「揺るがない決意」を示せ
退職交渉を進める際に意識すべきことは、「会社を辞める前提で、冷静に話をする」ことです。退職の話を切り出す際には、以下のように伝えましょう。
「●月●日を持ちまして退社を希望しています。つきましては、引継ぎも含め今後のスケジュールを相談させてくださいませんか?」
現職への不満をあげると「一つ一つを解決する」と言われて辞める理由がなくなり、交渉が難航するケースがあります。交渉の最初の段階で、キッチリと以下のことを伝えましょう。
- 会社を退職することは決めている
- 退社期日も決めている
また、同時に以下のこともしっかりと主張して話しを進めましょう。
- もう決めたことなので了解してほしい
- 引継ぎはしっかり行うので会社に迷惑をかけない
人は感情に引っ張られてしまいがちですが、少なくとも退職交渉を持ちかけているあなたは、冷静に感情を押し殺して話をしましょう。
実際に退職するまでは1,2ヵ月掛かることが多い
「退職にかかる期間のトップは1ヶ月!退職交渉に要する時間ランキング」の記事でも紹介していますが、退職交渉から退職までには1,2ヵ月ほどの時間が掛かるケースが最も多くなっています。
退職交渉に掛かる期間は企業の状況によってもさまざまでしょうが、退職の引き留めなども考慮すると、早くとも1,2週間は掛かってしまう可能性があります。
退職交渉をうまく進めるための7つのポイント
ここでは、実際に退職交渉を進める上で覚えておくべき7つのポイントを紹介します。特に退職交渉のスタートで躓いてしまうと時間が掛かってしまう原因になります。退職交渉前にポイントを頭に入れておきましょう。
- 退職の最初の相談は直属の上司にする
- 転職先の社名は伝えない
- 会社批判や現状の不満につながる退職理由は言わない
- 退職への強い意志を見せ続ける
- 面談が平行線になったら一旦持ち帰る
- 業務の『引き継ぎ書』を作成する
- 退職交渉のログを必ず残す
【1】退職の最初の相談は直属の上司にする
最初の退職相談は、直属の上司(管理職)にしましょう。さらに上位の管理職や同僚・部下等に先に伝えると、話がこじれてしまうケースがあるので避けてください。
できるだけ早めに時間を確保してもらい、静かな会議室など落ち着いた場所で話を切り出しましょう。どうしても時間が取れない場合は、タイミングも重要ですので、まずはメール等で最初の報告をするようにして下さい。
【2】転職先の社名は伝えない
転職先が決まる前に退職する人には関係ありませんが、転職先が決まっている場合は社名を伝えないようにしましょう。とくに転職先の業界・業種が関連性の高い企業の場合は、トラブルの元になります。
「転職先社名については勘弁して欲しい」で通して下さい。どうしても言わなければいけない雰囲気になってしまった場合でも、某○企業くらいに濁しておきましょう。
社名がオープンになってもいい段階は、退職日付近くらいです。引継ぎもだいぶ終わり、送別会の場などお酒が入ったときに「本当はどこなの?実際」と聞かれた際に「いやー実は・・・」くらいに話す程度に留めましょう。
【3】会社批判や現状の不満につながる退職理由は言わない
会社批判はもちろんですが、自分の職務や待遇への不満を伝えることは控えましょう。「じゃあ変えるよ」と言われて辞める理由が無くなってしまいます。
上司のタイプや人間関係の深さにもよりますが、「知人に誘われて話しがまとまってしまいました」程度のニュアンスにしておくか、「どうしてもやりたいことがありまして」と誠意をこめて伝えるか、いずれにしても「ご迷惑おかけします。勝手をお許し下さい」という丁重な態度で取り組んでください。
【4】退職への強い意志を見せ続ける
退職交渉の際には、「本気だな、慰留しても無駄だな」と一貫して相手に思わせ続けることが重要です。
下手に慰留条件に耳を傾けたり迷っている素振りを見せると、「脈あり」という期待をもたれて退職交渉が長引いてしまい、余計なエネルギーを使う羽目になってしまいます。
【5】面談が平行線になったら一旦持ち帰る
面談での話が長引いて「結論が出ない」と感じたときには、「一日考えさせて下さい」と言って持ち帰り、翌日「よく考えましたが意志は変わりません」などと伝えましょう。
上司もその場ではすぐには受け入れられないものですが、徐々に慰留が難しいことを悟ってくれます。退職交渉は、基本的には退職意思の通達と慰留の繰り返しです。
【6】『引き継ぎ書』を作成する
どの案件を「いつまでに」「誰に」引き継ぐかといった引き継ぎ計画書を作成してください。まずはA4一枚の簡単なもので大丈夫です。辞表と同じタイミングで提出するイメージです。
退職交渉が平行線で難航している場合も、引き継ぎはいずれしなければなりません。あなたが退職する事による会社のリスクを減らす姿勢も重要です。引き継ぎの準備を進めておきましょう。
【7】退職交渉のログを必ず残す
退職交渉においては、「いつ」「誰と」「どこで」「どんな話しをしたか」をメモに記録して下さい。(録音をする人もいます)
また、メールのやりとりは必ず保存しておいてください。備忘録といった意味合いでも、自ら退職予定日や引き継ぎなどの連絡をメールでも行っておきましょう。
退職に際して何かトラブルが起こった際にも証拠として活用できます。自分の身を守るための行動を心がけましょう。
30代の退職交渉で重要なマインドセット
退職交渉は1,2回ではまとまらないことも多く、5,6回は行う覚悟が必要です。
我慢比べのようなところがあり、時間もかかる上に精神的にも疲労度が高いものです。退職交渉が最初からそういうものだと認識しておけば、精神的な負担を必要以上に負わずに済むでしょう。
とにかく会社への感謝の気持ちを忘れない
転職するとはいえ、今までお世話になった会社ですから感謝の気持ちを忘れないで下さい。
「今まで育ててもらってありがとうございました。またどこかで一緒に仕事ができるといいですね」といった感謝の気持ちを持ちながら、冷静に論理的に退職交渉を進めましょう。
慰留に負けてプラスなことはない
「退社したい」と申し出ると、ほとんどの人は一度は慰留されますが、意思を変えずに転職するという気持ちを貫いてください。
転職先が決まっている場合には、少しでも慰留に耳を傾けるとズルズル長引いてしまい、結果的に内定先にも迷惑をかけることになります。仮に強烈な引き止めに負けて残ることになったとしても、一旦退社を申し出た社員へのマイナス評価は後々尾を引く可能性があることは認識しておくべきです。
退職に際しては、「辞めさせてもらう」のではなく「辞める権利を使わせてもらう」くらいのスタンスで臨みましょう。
退職交渉が難航している場合は「退職代行サービス」という手もある
自分で退職交渉を終わらせたい気持ちがあっても、やはり状況によっては困難な場合があります。
そういった場合には、退職交渉を代理人が行ってくれる「退職代行サービス」を活用するという手もあります。「売り手市場」で転職に対するハードルが下がったこともあり、こういったサービスを利用して退職する人も増えています。
ただし、活用に際しては非弁行為に当たる可能性もあるため、弁護士が関わっているサービスを利用するようにしてください。
EXIT
退職代行サービスの先駆け。メディアでも多数取り上げられ、2000人以上の退職代行実績があり、退職成功率は100%。転職エージェントサービスの「ワークポート」と提携しており、転職支援の仲介も行ってくれる。
【転職エージェント利用時】担当者に連絡する事を忘れずに!
転職エージェントを利用して転職先が決まっている場合には、退職交渉で何らかのトラブルや難題が生じたら担当者に相談してください。法律に抵触するような場合など、エージェント会社の専任者に問い合わせることも可能です。
担当している転職エージェントは、基本的に入社までフォローします。退職交渉の進捗状況を内定先の企業に伝える義務もあるため、退職交渉を行った日には必ずその内容を連絡しましょう。
まとめ:退職交渉のポイント
退職交渉のポイントに関して、転職エージェント直伝の方法をお伝えしましたが、いかがだったでしょうか?
退職交渉におけるポイントは以下の通りです。
退職交渉は、今まで所属した会社での最後の仕事です。少なからずお世話になってきた会社に対して、感謝の気持ちを示すことを忘れないようにしましょう。