転職の面接試験は準備で8割決まってしまう!|エージェントが教える面接必勝法

採用面接は転職活動における最大の壁であるため最も対策が必要となり、当然事前準備が必要となってきます。

しかし!その準備の内容も知らずにただ漫然と構えて、いざ転職面接に臨むと、

「あっ、そ、それはですね…」
「いや、残業がしたくなくて…」
「…(心の声:やべえどう答えよう…)」

と、肝心な回答が何も思い浮かばず、自分が思っていかなかったようなことを発言してしまうのはもちろん、隠しておくべきような”本音”を無題にしゃべり続けて、撃沈なんていうことも起こるでしょう。

ここでは、実際に転職エージェントに教えてもらった「転職面接に対する対策と準備」に関してお伝えしていきます。オリジナルの簡易ワークテンプレートもダウンロードできますので、是非活用してみてください。




大前提!そもそも転職活動の面接対策がなぜ必要か?

転職面接対策
転職活動の場合「年齢も経験も違う人たち」が、募集人数が少なく待遇の良い“レア求人”を同時に狙っています。あなたより優れたキャリアを持っていて、かつ能力が優れた人が当然います。

あなたは気づいていないかもしれませんが、狭いリング上で、人知れず転職ライバルとの「ガチの殴り合い」がはじまっているのです。書類審査に通過して、面接というリングまで上がる権利を得たならば、勝ち抜くために後悔の無い「面接対策の準備」が必要になるのです。

転職活動における面接は、学生の頃の就職活動とは目的が異なります。ただ、ポイントとしては同じ部分があります。それは“採用する相手の立場になって考える”ということです。つまり、いかにレフェリーからきちんと判定してもらえるように準備しておくかが重要なのです。

そして以下のようなことを考えておくと、転職面接の準備もしやすくなります。

  1. 応募先になりきり、自分との“接点”をみつける
  2. “接点”を“証明できるように”する
  3. “目的”を軸にしたストーリーを描いておく

準備の際には「1.どうしたいか?>2.価値観>3.活かせること」を意識するようにしましょう。この観点が、企業の人事担当などの面接官が転職希望者の面接でチェックするポイントとなってきます。

書類選考を通過したということは、「3.活かせること」については、「合格」or「詳細を面接で判断」となっているので、志望企業との接点を証明できるように“5W1H”を意識して、具体的な事象・行動・結果(数字など)で証明できるように以下のようなシートにまとめていきましょう。

面接経歴掘り下げ

そして、それが証明できれば、「1.どうしたいか?」「2.価値観」を中心に判断される可能性が高いということを覚えておきましょう。また、その為にもそれぞれの企業に向けて、以下のようなことを考えてアピールする準備をしましょう。

  • 何をしたいのか?
  • なぜそう思ったのか?
  • その為に何が今できるのか?
  • 将来、何ができる可能性があるのか?

転職面接の対策準備としては、以下のような順に掘り下げていきましょう。

  1. 志望企業の研究
  2. 自己分析とマッチング
  3. 転職ストーリーの確認とシナリオ化
  4. リハーサル
  5. 本番

【1】志望企業の研究とマッチングの概算

マッチング概算

「今までの何が転職先で活かせるか」「今と何がどう変わるか」について、求人票の内容から転職志望先の企業について調査し、この企業に入社した場合に現職(or前職)と比較して、仮説を立てて考えましょう。

「明日からこの仕事をしろ!」と言われたらどうするでしょうか?そのような状態を想定しながら、以下の質問に対する回答を紙に書き出すか、求人票を印刷して各ポイントについて注釈のように記載しましょう。

今の職場・職務環境と何が変わらないか?変わるか?

自分が転職志望している求人票に記載されている内容について、今の自分の業務とどう変わってくるかを考えてみましょう。比較する例としては、以下のようなものです。

  • 担当している製品・サービス内容について
  • 開発内容/開発環境/工程/求められる仕様などについて
  • 事業環境(企業を取り巻く経済環境・社会環境など)
  • 企業の成長ステージ(ベンチャー〜上場企業や老舗といった段階)について

この企業だけでなく業界全体のことも調べてみる

「なんでも検索してみる。」ことが重要です。

その業界全体の方向性や現在の動向などを把握しておくといいでしょう。新卒向けの職業サイト(リクナビ、DODA)などもいいですが、『業界と業種がわかる本』『四季報 業界地図』などという書籍も参考になります。「ブックオフ」や「Amazon」で安く販売していますので、読んでみると理解が深まります。

転職によって仕事は何がどう変わるか

最も想像しにくく難しい項目ですが、その企業を調べたり、先輩やOBに確認したり、転職エージェントを活用して情報を引き出した上で、以下のようなことを考えてみましょう。漠然でもいいので「考えて抽出しておく」ことが重要です。

  • 求められるもの/活かせること/自分に足りないこと
  • 面白そうなこと/興味を持てそうなこと
  • 大変そうなこと/不安なこと

【2】自己分析とマッチング

転職をする際に、志望先の企業に入った場合に、現在の自分に足りない能力に関しても、しっかり把握しておくことも重要となります。以下の質問に対する回答を書き出してみましょう。

面接マッチングの掘り下げ

「応募先でも活かせる能力・知識=できること」
「専門能力」はもちろん、業界・職種を越えた転職をしても、普遍的に役立つ能力「=持ち運び自在な応用力」や、「今は不足していること、まず身につけたいこと」をまとめましょう。

「やりがい/満足感/実現できること=どうしたいか」
転職理由として持っている不満を書き出して、その反対語から転職先の会社に採用されることで満たされる「やりがい/満足感/実現できること」を考えて書き出してみましょう。

「自分と転職志望先の合致している点=価値観」
・自分の考え方/価値観
・企業が求めている人物像/志向性

不足している項目については、あくまで「能力」の部分に着目しましょう。「性格」にフォーカスしてしまうと、転職先との相関がぼやけます。とにかく、自分の「能力がどうマッチングしているか?」が重要です。




【3】転職ストーリーの確認とシナリオ化

転職面接のシナリオ化
面接の場は「プレゼンテーションの場」と考えて、面接想定時間に応じた面接当日のプレゼン構成をイメージして書き出しましょう。

「どうしたいか」を軸にして考える

内容については、転職理由と志望理由に一貫性をもたせ、将来のキャリアプラン(やりたいこと)に意欲や意志を持って向かっていくイメージを持ってまとめるようにしましょう。

「転職理由」は、不満がきっかけの内容となっていても構いません。むしろ不満がきっかけである方が本音と考えてもらえます。ただし、その不満をぶつけるだけではなく、その不満を反転させ「志望動機につなげる」ことがポイントです。また、その内容に優先順をつけることもお忘れなく。

企業研究で仮説を立てた、求められる能力の証明をする為のプレゼンに有効な自己PRを考えるようにしましょう。

転職のストーリーを抽出した後は、「面接のシナリオ」を考えます。一般的な面接の展開は以下のようになることが多いです。

  1. 自己紹介
  2. 経歴/知識/能力の確認・証明
  3. 一貫性のある転職ストーリーの説明(転職理由・志望動機・実現したいこと・キャリアプラン など)
  4. 質問

面接時に質問が予想される項目についての想定回答を、この段階でまとめてみましょう。

転職面接シナリオ

【1】自己紹介

最初の印象が後々まで影響する面接の第一のポイントです!従って、最初の自己PRだとお考え下さい。できるだけ明るく元気よく「時間を頂いている」感覚で話すようにしましょう。丁寧さが重要です。

言葉遣いとしては、敬語・丁寧語を意識するようにしましょう。例えば「面接のお時間を頂きありがとうございます」「よろしくお願いします」「以上です」といった感じです。

自己紹介の目安時間はだいたい3分ほどですが、余裕があれば1分or5分バージョンも用意しておきましょう。

話をする際には、論理的な話し方で、仕事における必須の話し方「エレベータートーク」を意識しましょう。「1.先に結論を述べる→2.詳細な説明を行う→3.最後にまた結論を話す」というような順序で話しをするつもりでまとめて下さい。

自己紹介内容の抽出のポイント

自己紹介(PR)を考える際には、以下のようなポイントに沿って考えるようにしましょう。

・求人票の【必要な経験・能力等】/【仕事の内容】を意識し節目(転機)毎に要約
・「○年間△△に従事してきました」と具体的に書く
・「会社の事業内容→所属部署→自分の役割」など徐々に細分化していく
・まず話す内容を伝える:自己紹介でも自己PRを交えるのであれば、最初にそのことを伝える。
・自己紹介では全部を話しきらない。キーワードで質問を誘うことを意識する。
・客観的に話す。言い訳・形容詞まみれ、主観ばかり、演説のような内容は×

面接時にメモを見て話したり、職務経歴書を確認することは不可ではありません。ただし、ずっと見て話をせず「思い出す為のメモ」と考えましょう。最初に何をお話すれば興味を持って頂けるかという仮説の元に考えてまとめて下さい。

会話のキャッチボール型面接のコツ

  • フレームからディテール(=まとめor概要から詳細へ)
  • 質問を引き出す話し方
  • できるだけ具体的にエピソードで語る
  • 緊張は味方、バックアップとしてメモを用意すれば安心

2.経験・知識・能力の証明

あなたの今までのキャリアで培った経験などは、「覚える」よりも「思い出す」ことに重点を置いてください。「創作」することはできません。「創作」はあなたの経験ではないので、すぐにボロが出ますし、何よりも転職が成功した後に苦労します。

応募先でも活かせる能力・知識・考え方

能力は「行動」「習慣」「具体例」でチェックされます。具体例については、一般論ではなく根拠となるエピソードを思い出しましょう。成果をあげた「プロセス・工夫・行動・失敗・成功体験」から発掘して下さい。

また、会社が決めた目標以外で、自分が(考えて)もっていた目標など、あなたが自分なりに考えていたビジョンというものを問われることもあります。

失敗・成功・やりがいを感じたこと

転職面接での質問の目的は“主体性のチェック”となるケースが多いです。「失敗」は成長するきっかけを証明するエピソードです。具体的な行動事例を問われます。主体性を持って仕事をしてきた人は、やった仕事をよく覚えていますので、こういった経験というものもすぐにエピソードして出すことができるのです。

できるだけ細かく、「思い出し」てエピソードやきっかけ・行動などを「5W1H」の観点で、まとめてみてください。特に、その時にどのように考え行動したのか?その経験がどのように活かせると考えているのか?ということをアピールしましょう。

なお、「コミュニケーション能力」に自信があります。というようなアピールよりも、「コミュニケーション能力の中でも、特にキク(聞く・聴くなど)に自信がある」と言ってエピソードも交えてアピールする方が、よりお話が進みやすくなります。

【3】一貫性のある転職ストーリーの説明

転職面接では「一貫性のあるキャリア」であるかどうかをかなり突っ込んで詮索されます。しっかりとストーリーだって、最終的な「目標とするキャリア」につなげるようにしましょう。

転職・退職理由

転職理由はきっかけかもしれません。「やりたいこと」が実現できないことが転職理由かもしれません。でも、それでも良いのです。その理由を反転させて志望理由にすることで、企業が納得できれば良いのです。

志望動機

経験が活かせるだけでは物足りません。「実現したいことが叶う+更に希望する条件が満たされる」というように絞り込んでいくと、その企業に向けたオンリーワンの志望理由となります。根拠が重要です。一般論ではなく、自分の言葉でまとめましょう。

キャリアパス

刷り込まれた内容ではなく、自分がどうなりたいかをまとめましょう。その会社での一般的なキャリアパスではなく「自分の希望」を述べましょう。

「手段」と「目的」の使い分けを意識しましょう。「手段」として役職に付くことを述べるのではなく、「目的」として「こんな仕事をしたい/こんな人間になりたい」というように自分の思いを伝えましょう。やりたいことができない環境では、納得した転職とならない可能性があります。

【4】転職面接のラスト逆質問

質問も面接と心得てください。順番も重要です。まずは「仕事の確認」から行うようにして優先順位をつけて、しっかりと質問しましょう。質問事項をノートに書いておいてもOKです。

こちらからの発信ですので、準備したことを思い出す為のメモを見るのも可能です。また、回答をメモすることも大事です。ただし、当日は一言「メモをとっても良いか?」確認下さい。昨今は機密事項に関わる回答もあるので、その点は注意下さい。

質問は「仮説検証型」で行ってください。つまり、先に自分の考察を添えながら、相手の回答を引き出すということです。「●●については、△と考えていますが、どうでしょうか?」といった感じです。



【4】リハーサル

必ず「シナリオ(面接本番の流れシート)」を書いてみましょう。「覚える」のではなく、「可視化」するようにして下さい。言葉として書けないものは、その場でも話すことができません。

その後に「面接のリハーサル」を行います。家族や友人相手のリハーサルもいいでしょうが、所詮は身内です。面接の経験があるような人が望ましいので、転職エージェントを活用してしまった方が最短の道を取れます。

転職エージェントのキャリアエージェントは基本的に「模擬面接サービス」を行なっていますので、転職の成功率を飛躍的に高めるためにも、サービスを活用して準備しましょう。それだけ転職において「面接」は十分な対策が必要なのです。

【5】転職採用面接の本番

面接そのものがコミュニケーションの場です。「対話」型のプレゼンを心がけましょう。相手も人間です。また相手は「未来の先輩or上司」「相手も同職種」だったりしますので、実は面接のプロではない人が同席しているケースが多くなります。

転職面接本番!服装や持ち物は大丈夫?

面接本番では「伝えようという思い」が何より大切です。目を見て、全身で聴くことを意識して下さい。ただ、せっかく事前準備をしても当日の服装や持ち物、振る舞い方もチェックしましょう。

採用面接チェックリスト
・貧乏ゆすりをしたりしていませんか?
・手が落着かないってことはないか?
・ペンや手をいじったりしていないか?
・姿勢: ピシッとしていますか?
・セミナー中: 企業の方が見ています。寝たり・メールをチェックするのは論外です。
・あいさつ: できるだけ元気に語尾までハッキリとあいさつしましょう。
・目線: 目(or顔)を見る
・顔: 真正面を向く 声:低めにゆっくり
・あご: 軽く引いて
・服装: 襟の乱れ・スーツのしわ・髪の毛・香りなどは面接にふさわしい?
・遅刻したら: 一分でも遅れたら、必ずしっかりお詫びしましょう

最後に、入りたい気持ちがあるならしっかりと言葉で伝えましょう。「お世話になりたいと思っています。是非よろしくお願いします。」など、「ありがとうございました。」といったお礼だけではなく、「依頼・お願い」をするようにしましょう。自分の「能力」を証明するのも重要ですが、最後に伝えるのはやはり「気持ち」です。

まとめ

転職活動において面接は最も高い壁となって、あなたの前に立ちはだかるでしょう。ですので、当然事前の準備から非常に重要になってきます。

転職活動を行う場合に、自分一人で対策を行うのはかなり骨が折れます。せっかく準備したとしても、例えば近親者や友人に対して面接練習をしたところで「人事のプロから見るとどう映るか?」ということがわからないからです。

転職エージェントを活用すれば、上記のような悩みに関して、「面接前の分析サポート」はもちろん「模擬面接」も行ってもらえます。実際に、私が転職エージェントを活用していた時にもらった分析シートは以下のようなものです。

面接準備シート

面接前の分析は非常に重要であり、簡易的なワークシートでもある程度掘り下げることはできますが、やはりしっかりとした転職のプロである「エージェント」のサービスでは、もっと詳細な分析シートを元に、徹底的な面接準備ができます。

サービスは無料で活用できるので、自分の面接力アップのためにも活用してみましょう。