社会人と学生の違いって何?|面接でも質問される気になる相違点とは?

「社会人と学生は何が違うのか?」と問われたとき、あなたはどう答えますか?

この質問は、就職活動の面接時に高確率で受けます。社会人としての意識を学生の時点でどう考えているかをチェックされる定番の質問です。

学生時代は勉強以外にもサークル活動やバイトなど自分でやりたいことを選べる余裕がありました。しかし、就職して社会人になると「自由な時間」「自由な環境」は極端に減ります。

そのギャップが怖い人もいるでしょうが、いずれは誰しもが経験することです。新卒として入社して環境の変化に苦しんだり、必要以上に頑張ってしまったり、中にはその違いが楽しくてたまらない人もいるでしょう。

ここでは就職した後に、学生時代とのギャップに苦しまないように社会人と学生の違いについて紹介します。




就職試験で聞かれる「社会人と学生の違い」

採用試験で確認される意図とは?

これまでの人生の中で最も大きな変化になるのが「仕事をする」ということです。バイト経験もあるかもしれませんが、それとは違う「責任」も生まれてきます。

採用を検討する会社としても、そういった変化に対応できるような「思考する」人を欲しがります。学生のうちから将来について漠然とでも考えを持ち、具体的に人に説明できるかを確認したいのです。

採用試験での質問に回答する際のポイント

こういった質問は、明確な答えがあるわけではありません。大事なのは、あなたの「答え」「考えた理由」を伝える事です。奇をてらった回答は必要ありませんが、自分なりに考えた答えが必要です。

最初に明確な答えを伝えた後に、考えた理由を伝えましょう。自分が見てきた社会人に対するイメージや具体的なエピソードがあると伝わりやすくなります。

  • 自分がバイトで経験した事
  • お店で受けたサービスや対応
  • 働いている両親の姿から感じた事
  • 尊敬する経営者や偉人の言葉
あなたは既に多種多様な社会人と触れ合ってきているはずです。すべてがいい出会いではなかったかもしれませんが、それらの「経験」から自分なりに考えたことを伝える方が気持ちもこもります。

社会人と学生の違い7選

ここでは、社会人と学生の違いの具体例を紹介します。就職試験対策というよりも、今の時点でこういった違いを認識しておくことで、就職するまでの心の準備もできます。

学生時代とのギャップに苦しまないように、ちょっとだけでも意識をしておきましょう!

【1】求められる「社会的マナー」の質が決定的に違う

社会人になるとマナーについては学生の時以上にうるさく言われます。新卒として入社して一度は言われるであろう文句が「これだから最近の若いもんは…」です。

個性を磨くのもいいですが、会社では自分より年上の人が多く在籍しています。そのような環境で上手く仕事を行うには、会社や上司のマナーに対しての考え方を知る必要があります。

そもそもマナーにはいろいろなものがあります。

  • 身だしなみ
  • 挨拶や報告などのコミュニケーション
  • 電話対応
  • 来客者やお客様との接しかた
などなど、シチュエーション別で多くのことを学ぶことになるでしょう。

基本かつ重要なマナー”挨拶”

マナーの中でも特に重要視すべきなのは、すべてのコミュニケーションのはじまり「挨拶」です。

「おはようございます」「失礼します」などの定番の挨拶はもちろん、人として失礼のないように自分は教えてもらう立場という意識でいると失敗はありません。

元運動部の人は上下関係についての経験があるため、敬語がしっかりしている傾向があります。そのような経験が無く、礼儀に対して希薄な場合は「自分から挨拶をする」ことから意識しましょう。

第一印象を意識せよ

マナーが最も大事になってくるのは「お客様」や「外部の人」に接するケースです。残念ながら社会で認められるには「仕事の能力」だけでは不十分です。

仕事をする際には「人と人の関わり」が重要であり、まず重要なものが「第一印象」です。

  • 初めて会ったのに挨拶がない
  • 名刺の渡し方が上から
  • 話し方が横柄
  • お礼の言葉がない
  • 商談中なのに眠たそうにしている

といったようでは、相手の信頼は一瞬で失われてしまいます。最初がマイナスだったら後は上がるだけという偏った考え方を持つ人もいますが、仕事においては最初からマイナス印象を与えることは致命的です。

あなたが一緒に働く人やお客様に上のような態度を取られたら円滑に仕事を進めていけるでしょうか?

「人あってのお仕事」ですので、最低限のマナーや、相手に好印象を与える立ち居振る舞いは早めに学びましょう。

【2】仕事に対する対価「給料」のもらい方が違う

社会人と学生の最大の違いは、労働の対価=給料です。

学生の仕事は、その時間その場にいてやるべきことをやるという拘束時間に対するお金のもらい方。一方、社会人はその場に存在する時間ではなくその会社にいかに貢献したかという実績でもらえるお金が変わります。

もちろん、ある程度の期間会社に所属することで増えるお金もありますが、社会人はその先にある「会社のため」「新たな可能性のため」にお金が支払われるのです。

また、学生時代のアルバイトやインターンでの経験は、社会人になってからのお金のもらい方に影響してきます。いかに、会社や社会のために働くことが大切で、意義があることなのかを学んだ人こそが、社会人になった時にその真価を発揮できるのです。

限られた時間でどう結果を残すか

学生時代に身に着けた「時間内にいかに業務をこなすか」という能力も社会人になってから役立ちます。人が持っている時間には限りがあります。自分に与えられた時間をしっかりと把握し、時間内で最高のパフォーマンスを見せることが重要です。

多くの学生たちは、就職した後に「少しでも貢献したい」「学びたい」という気持ちが強いため仕事に早く取り掛かろうとしますが、即戦力という形を求められるのは稀です。ほとんどの場合が、研修やOJTでじっくり仕事を学んでいくことが多くなります。

したがって、会社としても就職して間もない人間には多くを望みません。まずは焦らずに、周りの先輩を見ながら仕事を覚えていきましょう。

就職してすぐの残業は控えめに!

「給料が欲しい!」といって、戦力にもなっていない状態で残業を積極的に行うようなことも辞めましょう。最初から残業ありきの働き方をしてしまうと後々修正が難しくなりますし、上司も意外と見ているもので、しだいにその目も厳しくなってきます。

就職したからには、学生時代は許されたようなダラダラ感は早めに修正しておくことをお勧めします。




【3】人間関係が違う

社会人になると「人間関係」で悩む人が非常に多くなります。学生の時と決定的に違うのは、自分と相性の良い人だけと付き合うのは難しいという点です。

仕事をする上で基本的に人は選べません。幹部クラスになってくれば話は別ですが、社会人なりたてだと上司の言うことに従うことになります。よって、自分と合わないであろう人との関係性が仕事にも影響するのです。

人間関係を円滑にしたいなら苦手な人にでも接することです。「この人とは無理だ」と投げ出すのは学生時代まで。社会人となったら上手くつきあっていくコツを掴む必要があります。

相手の立場になることを意識せよ

まずは、相手が自分に何を求めているのかを知ることからはじめましょう。自分自信が「一旦相手の立場に立って考えてみる」ことが重要です。そうすることで、人に対する接し方も変わりますしお客様と接する業務ならば、そのまま仕事にも役立ちます。

また、マナーの項目でも述べた「挨拶」は人間関係を円滑にするために必須です。

業種によっては幅広い年齢層の人と接することも増えてきますし、グローバル化に伴って違う国の人と接することもあります。そのような人間関係の幅広さや変化も増えてきますので、その状況を楽しめるくらいの気分でいられると良いでしょう。

【4】社会に対して果たすべき「責任」が違う

社会的「責任」というと、どんなことを思い浮かべますか? 大きな失敗をしてクビになる?? それは、すごく一面的な社会的「責任」の負い方です。

学生時代のあるバイトでは、正直社会的な責任を負うことはほとんどありません。大きなミスをしても、それはあなたの上長の責任になります。とあるドラマのように「上司の失敗は部下の責任」ということにはなりえません。

もちろん、接客業の場合は自分がお客様に謝るという行為をすることはあるでしょう。しかし、それは社会的「責任」ではなく、その場の「責任」です。

では、社会人にはどのような社会的「責任」があるのでしょうか?

それは、その会社の顔(代表)としての責任です。あなたが誰かクライアントに会う時、あなたはその会社の顔(代表)となります。あなたが何か発言をする時、それは時として>会社を代表する発言になります。

会社に所属し、社会人になること。それは、”会社の顔になる”ということなのです。あなたの立ち居振る舞いに対する評価が、そのまま会社への評価になりえることを肝に銘じておきましょう。




【5】自分の未来を考える「将来設計」に対する考え方が違う

社会人と学生の最大の違いに、将来設計があります。例えば、学生がアルバイトを選ぶ時、将来性があるかどうかよりは、

  • 勤務先が家や学校から近いか?
  • 時給が高いかどうか?
  • シフトがライフスタイルに合っているかかどうか?

などが優先されるでしょう。しかし、自分が一生勤めるかもしれない会社を選ぶ社会人は、

  • その会社の社風や将来性はどうなのか?
  • 自分がその会社で何ができるか?

といったことを真剣に考えることでしょう。それこそが、社会人と学生の大きな違いです。社会人であれば、「その会社で自分が何年働いて、どのようなキャリアを築いていくべきなのか?」というような将来設計を重視します。

年収などの「お金」ばかりを追うな!

では、社会人が注意すべき将来設計とはどんなものがあるのでしょうか? それは、「収入に左右されないこと」です。

収入が良いことは悪いことではありませんが、それだけでは将来設計には不安があります。自分がこの会社でどんな風に働くのか、家族ができた時にどんな働き方ができるのか。そこまで考えてこそ、社会人の将来設計を見据えた、会社選びの方法なのです。

ただし、学生でも将来設計を見据えた職場の選び方は可能です。それは「自分のやりたいことに方向性が近いかどうか?」といったことを考えることです。

いずれ来る就職活動に備えて、少しでも将来設計に寄り添うアルバイト先を選べれば、あなたの将来設計はより明確なものになるかもしれません。

【6】仕事やプライベートの「時間の使い方」が違う

時間を使い方に関しても、社会人と学生の違いが出ます。学生は「与えられた時間の中でできることをする」という考え方で仕事(アルバイト)をしています。たしかに時給で働く学生にとっては、時間に対するパフォーマンスが最も大切なポイントです。

しかし、社会人はそうではありません。会社に属する社会人になった瞬間、あなたは24時間その会社の人という目にさらされることになります。時間内で業務を進めることはもちろん大切ですが、それ以外のシーンでも、あなたはやっぱり“その会社の人”なのです。

だからと言って、業務時間外まで仕事にまい進することを勧めているわけではありません。業務時間外は思いっきりプライベートを楽しむことも大切です。しかし、“社会人”としての責任があることは常に念頭に置いた行動をして欲しいのです。

それこそが、社会人と学生の時間の使い方の違い。時間は無限にあるものではありません。だからこそ、時間を意識した使い方をする。仕事のために使う時間をきちんとコントロールできる人こそが社会人なのです。

【7】精神面の鍛えられ方が違う

社会人になると、学生時代とは違って仕事に関わる責任があります。必然的にプレッシャーがかかるため精神的に不安定になることも少なくありません。

こういう状況下では、皮肉にも不真面目な人がのらりくらりとプレッシャーをかわせるのですが、真面目な人ほど責任感を感じて精神面から体調を崩してしまうこともあります。

仕事上の真面目さは必要ですが、精神面をカバーするためにも会社の外で思いっきり羽を伸ばすことを1つ見つけましょう。趣味でも良いですし、興味のあるレッスンを探すのもいいでしょう。

どこかでストレスを発散できるものを持っていないと、後々、社会人生活が苦しくなってしまいます。社会人になると病気で休むこともあまり快くは思われず「体調管理がなってない」と一蹴されることもあります。

自己管理に関しては、普段の生活リズムを整えることは元より、趣味などを行うことでメリハリをつけて、上手くカバーするようにしましょう。

また、社外の人とのつながりを持っておくと、気分転換になるのはもちろん、いつも一緒に過ごしている会社の人以外の話を聞くことで視野を拡げるのに大いに役立ちます。

いざという時に新しい道が開けることもありますので、社会人となるからには、過度なプレッシャーを逃すための術を準備することも、意識しておきましょう。

まとめ

社会人になるということは辛いことばかりではなく、今までにないレベルのことを実行して全うすることによる「達成感」も学生時代の比ではありません。

7つの違いについては、常日頃からちょっとだけ意識してみることも重要です。学生時代のうちに将来を意識しておくのはもちろん、社会人になってからも早い段階で学生との”違い”を肌で感じ、今までの自分からさらに殻を破っていきましょう。